2011年12月19日月曜日

12月20日はお休み

今年の演習は12月13日で終了しました。塚本邦雄、寺山修司、若山牧水らの代表作を読み直し、検討し直しました。
 12月20日はありません。
 1月10日にまた始まります。
 授業では現在、斎藤茂吉の代表歌を多量に再読検討中ですが、これは来年1月も継続していきます。

2011年12月13日火曜日

KUREMUTU CLUB 32

水頼

あなたに与えるお金はないわ哀愁蝦蟇口中に目薬

現代人は字が汚いというがね偉人の手紙を読めるかね

四十二行聖書よりも私は怪物誌が愛おしく

細かく刻んだキャベツの使い道を考える前に夕餉は過ぎた

マンティコアの尾で君私突き刺し鋸歯で私食べて

もう冬と嘆く他人を君嘆く。紅葉狩りの予定は来週

2011年12月6日火曜日

KUREMUTU CLUB 31

イモ野郎

新企画猪鹿蝶の集う宿犬猿雉は明日で解散
日曜日スプーン、箸も戸の中にしゃもじが詰まって開かずの戸棚
本当に徹頭徹尾無糖なの血糖乱れて糖尿病
池谷とケイン、照英 三銃士 マッスルエリート今夜激突





少年に指さされ笑われて手を振り答え強く地を蹴る
豆腐食べ納豆つつきて豆乳drinkイソフラボン君にoverdose
秋の暮れ見つけた抜け殻身も心も揺れ動くかな水鏡

KUREMUTU CLUB 30

青木

肉体が淫靡であるのを知らぬよう全裸で食するアルヘンティーナ
取締役会で寝る快感を心の限りさけんでみたい
用を足すだけではない!ここはいまドン・キホーテの女子更衣室
ねえハニー世界がみんな敵ならばノベルがひとつ書けると思う?
ぐしゃぐしゃに濡れた少女が雨の中ぴちゃぴちゃ水たまりをすいとる


いとしのエリ

継ぎ接ぎの時間を集めかじかんだ心に当てる買うより安し
ずっと前流行ってたのをなぜか買うあたしの一人カピバラブーム


水頼

うぞむぞのワナビのさけびみにしみて みみをふさぐわれもワナビ
あの木には鳥が生えていない。その木には生えているのかしらん。
時計の針は水あめだからよく垂れる。水あめだからよく絡まる。
ちちははのほうれいせんをなぞりなさい。きっとあなたはなぞれない。
ドロヘドロ かきわけたことがないのならいちどぬまにはいってみたまえ

2011年11月15日火曜日

KUREMUTU CLUB 29



空中で傷あとひらく夢を見る崩した体は君の無意識

庭に咲く色とりどりのやわらかな手向けることの許されぬ花

雨の夜に僕はかえれぬどこにもいけぬサンタクロースに手紙を書いて

スクリーン映し出すのは空の色意図の見えない人差し指と

問うことも問われることもない名前大学生協中濃ソース

KUREMUTU CLUB 28



鉄パイプさわるとそっと冷たいよ中は空っぽ今日も日が暮れる

知らずして僕らは免疫に守られて細胞のハミングあゝあの娘かわいい

妹よあなたの彼氏僕に似ているそこかしこに風が吹き秋が終わるかな



水頼

母親の足か腹にかいづくんぞ妊娠線を見つけなさい

鼻血出て窓の外に木、見えず。紅葉ぞ咲く床の上

おでんのおいしいきせつになりました たかおさんにいきませんか

燃えないゴミが増える秋、人の業。夏作りすぎたうちわのせい。

ペーパーナイフ紙を切り紙、肌切り、肌、ペーパーナイフを切れないね。



ナイフのないアーミーナイフを持ち歩いても私を捕まえていただけないですか?

KUREMUTU CLUB 27



               
イモ野郎

種子島ロケットラーメンなんだろな生後間もない猫がかわいい

農耕を山を平野を火星人復興めざす火星のボラ部

作品を作りは破り走り出すスズキレッツでジャンクに向かって

頂の景色目指して駆け抜ける暫定3位ケインコスギが

KUREMUTU CLUB 26

イモ野郎


イモを喰う紅いももひきイモ野郎さつまに男爵長メイクイーン

ひまつぶしティッシュ一枚ひらひらと息を吹きかけ地球に逆らう

大根をクルクルクルクルかつらむき薄さに感動長さに絶望

髪の毛とシャーシンソーメンそばごぼう細すぎてると食べられません

体育の日日めくり今日はケインの日日本語不慣れ日記はローマ字

2011年10月2日日曜日

2011年秋冬期のはじまりです。

 今期は人数が少なめですが、これまでと同様に進めていきます。

 ここの「コメント欄」に、毎週、作品を投稿してください。封筒の絵をクリックすると、コメント欄が出てきます。

 投稿された作品を毎火曜日の授業時に皆で検討します。

 創作作品というものは、毎週一定してコンスタントに作っていけるものでもありませんから、作品の集まらない週もあるでしょう。そういう時には、プリントで過去の短歌作品を学んでいくことにしましょう。

2011年8月15日月曜日

KUREMUTU CLUB 25 (2011/08/02)


★2011年度春‐夏期最後の集です。

―――――――――――――――――
               

逢桜カイン

僕は泣く君と別れたからじゃないパーフェクトじゃない僕がいたから
泣いたよねきっと君も泣いたよねそう思わないと立ち上がれない
悔しいよ君の悪いとこ言えなくて次から次に笑顔が浮かんで


水頼

Children's Philosophy in Sandbox.砂の世界をいじくりまわす。
ソフィストになるためにキミはボクになってボクの目でキミを見つめる
サフィストになるためにボクはキミになってキミの目でボクを見つめる
「花はね、植物の手足なんだよ」なら握手してみようかな。



ナカダテ

安藤言う、鈍す突風。安藤言う、鈍す突風。あ言わな、B、古ぃ。
 ラットソング 里、怒るを移動 鼠の唄 君が10出す?僕が胡瓜推す。
遠藤言う。丼、酢とoops! 遠藤言う。丼、酢とoops! あ良い罠、便意…古ぃ。
望まぬ子 棒狩る意図 生命観 痛い痛いよ 飛んでけN.Y
諦念 四季折々は 雑念の 指切りゲンマン さらばさN.Y
―ぶれない闇 はぜますドラム 星の陰に ベイビーぼくは おわかれのうた
舞い演じ得る、風呂も入ぇる。舞い演じ得る、風呂も減る。愛はな、美。『ネ申!』
ソングスフォーザデブ 違うデフ 「メニハメヲ」という、アナタのためでふ




千鳥足鶴は先年千鳥足駅からタクシー四食分
どこ行ったあの子もこの子もどこいったみんないなくなった
夏休みもう六年も夏休みこのままずっと夏休み



ナカダテ@佐江推し
(ネタがしつこくて本当にごめんなさい楽しくてまた書いちゃいましたこういうの)

走り出す君のパレオはエメラルド夏の海から僕の胸まで
言えなかった恋はなかったことになるのごめんねsummer
めちゃくちゃな人生設計したがる君は玉砕上等バンザイVenus
君に会えたら胸の鼓動を数えながらせーので1・2・3・4ヨロシク!
日常が非日常に変わったら君の声だけヘビーローテーション
好きだって叫んだ大声ダイヤモンド走り抜けてく夏の雨のなか
Everyday,カチューシャつけて放課後の渡り廊下を走る君
何も出来ない僕らはbeginner痛みを知ってまた立てばいい


匿名

道渡す波頭の白を踏み行きて きみの行く先ま白きままで
スロープに落ちる灯りに影が差す 四肢を広げたイモリ悠々
四尺の花火広がり落ちてくる 体の中で音が弾ける


逢桜カイン

作家と僧とゲームプログラマー人の笑顔願う三兄弟
わたくしは仏に生かされ育てられいつか仏をうらぎりて死ぬ
泳いでも溺れても尚もがいてもみっともなくとも生きていくのです
ありがとうそしてありがとうそしてさらばだ友よ僕はいきます


2011年7月30日土曜日

KUREMUTU CLUB 24 (2011/7/26)

               
イモ野郎

ダイエット3日で10kg痩せましょう!即効反映サプリ飲むだけ!
ウルトラC華麗にFLY!秘訣あり秘密のメモはここをクリック!
飛ぶように売れているのはこのウサギ!不幸吸い取る幸せウサギ!
緑山ケインコスギの独壇場ケインが走る!ケインが跳ねる!




サーカスは象がいるが兎はいない
山羊が鳴く私も真似して鳴いてみる
少年時 私は椎茸が茶色くて食えなかった



匿名

胸焼けて起き上がれない遅い朝 薬の効用わかる妙齢
蝉鳴かぬ涼やかなれど侘しくて四季らしからぬ国へとなりゆく
地が暴れむずがり続けて四箇月そろそろ機嫌直しはしまいか



水頼

タイヤの溝はすべからくローマへと八百万人を導き給う
外環は八潮で止まっているけれど、僕たちにはもう必要ない。
白繭につつまれている。僕たちは日が昇ってもつつまれている。



逢桜カイン

無理矢理に言葉を紡ぐ必要はないと思うよ僕そう思う
だって僕楽しいことしかしたくないわがままだけど許して欲しい
こんな僕だけど友達いてくれてありがたいやらすまなかったり

2011年7月26日火曜日

KUREMUTU CLUB 23 (2011/07/19)

               

水頼

あかい鰐がくちをひらいて僕たちをまちうけている。
蚊柱のトーテムポールがつらなってここは駄目だとおしえてくれた。
600円入場料はらってピンクの象と遊びました。
あんなにいそいでたひとたちは赤色ひかってきえてしまった
あしほねは混凝土(コンクリート)のせいでめちゃくちゃに砕けてしまった。
砂利みちをあるいていると靴なんか役立たずでぼろぼろだ。


匿名

丸茄子の薄い輪切りを扇にし喉へと畳む夏のはじまり
かたまりに成り果て落つる絶え間なくいのちを包みこむための壁
笑ってる話を聞いて笑ってる静かないかり湛えて笑う
独りきり彼女を遺し東国へ全てを壊すこころの弱さ


ナカダテ

ダンスホール、ミラーボール、レディー・ガガ。あと彼女ご自慢の、長い舌。
喉の奥 流れ込んでく 煙色 ほしけりゃアゲル 止まる時間
ブスとキス 音の速さで ブスとキス 何でもいいけど 口が渇くね
聞こえない耳、見えない目と足踏みしながら つまり死にたい 少なくとも朝まで

君の流した 涙の数だけ 叫ばせて 心のドア叩くよ 我らがAKB
転がる石 一つ一つの 熱い焔 夢の温度さ We're the team K
手を揚げて 私の恋に 気づいたら あなたは今日でゆかちゃん推し ほらチームB(た・こ・や・き!)
全力で 今日を足蹴に 駆け抜けて 大人になるまで あと1ミリ 

2011年7月12日火曜日

KUREMUTU CLUB 22 (2011/07/12)

              

タソ

行かなくてはに対するは黙っているのが美しい憎き登山者
死ねと言われたら死ぬのですと目尻の皺が寂しさ誘う
見たくないと思うのについ目をやる青朽葉のジレンマ


逢桜カイン

今宵は七夕ですね。

短冊に「あれのやまいのなおるよう」星を困らすいじらしき君
叶わぬがゆえに叶えと祈るもの星よふりやれ我を仕留めよ
そこないし去ぬ機をたぐる我の手をなにゆえ君は握り給うか
橋のない渡れぬほどの河ならば我を受け入れ業を雪げよ
空梅雨のしとりし風に腐臭乗せ今日は幾たび布をかえたか

2011年7月11日月曜日

KUREMUTU CLUB 21 2011/7/05

               

函南

放射能降灰(フォールアウト)あおじろき光が駆け抜けてくね孫子の代まで
「甘辛ボヘミアン」という刀に撫で斬られまして二度寝しました
焼香に似る手つきで載せたアイラッシュひらひら艶めき彼岸参りへ
払暁じゃを失業じゃと聞き違えて祖父殴ちゃったたまじゃりのうえ
疎まし人とあいたかったyesと連唱することもあるよな三千世界
秋葉山峨々たる嶺から裳も黒み 彼岸日暮れて甘し葡萄果



水頼

こんなへんぴなところにきて僕らは何がしたいんだろう
昔から続く切な祈りを僕らは鐘一周で済ます
お金を洗う水に手を入れひんやりと 水と金(かね)は似ているね
地を這う小さな箱舟に乗って 良い国があった街を行く
こんなとこずっとすわっているからこんなにつかれてしまってるんだ
どうして鳩がモチーフなんだろうおいしいからべつにいいけど



イモ野郎

内なる戦いの行方は?
新鮮な地球の大地火星人飽くまで芋を掘り続ける
芋掘りの疲れしのいでビルディング立ち並ぶ様マーズのようだ
ペテン師にだまされここまで来たけれど住めば都か夕飯まだかな
点心が並ぶ晩餐ふと思う天津飯は地球人かな?
さぁここでケインコスギはあくまでも越えるつもりだデビルズウォール





うつ血した茗荷におもう 刻む毎わすれるきがするきみの半身
いたずらに因数分解してみればどいつもこいつも等しく女
ぬるみゆく銀貨の果てのコカ・コーラ はらわた溶かす黒きしゅわしゅわ
ひと房やひだや白きをとらへをり触れてこぼるる子音うれしく
いまはもう電脳ぐるいをただよひて半角と化すをさなともだち

2011年7月5日火曜日

KUREMUTU CLUB 20 (2011/6/28)

               

逢桜カイン

夜明け前知らない猫に出会ったら一つだけ問う我は迷子か
赤い靴はいて港へ闇の中我を連れ去る異人探しに
けだるげな長い睫毛は鉄格子囚われ目玉は夏を待ってる
産まれ得ぬ我が子に着せたい朱の浴衣金魚のごとく揺れるへこ帯
暗がりの草鬱蒼たる林道を下駄で往くのも夏は良きかも




書の館ガラス戸が行く手を阻む私は横で頭抱える
愛でてますそう口には出しながら他の木の芽を想像する
ボードレール読んでーるルノワールで読んでーる

2011年6月28日火曜日

KUREMUTU CLUB 19 (2011/6/21)

               
キシ
宙に舞うくつ片方に聞いてみる降るか降らんか天までおつかい
日射しふり折りたたみ傘出番なしかばんの重み足どり軽く
rain rain と連日つづく雨模様空に映った満開のカサ


水頼
僕は免許を持ってませんけど 君とどこまでも行けたらいいなあ
王冠は白桃にこそふさわしい 帝王に侍る雅楽が響く
今は亡き王の通いし王の道 今は誰もが王と侍る
海に消えた 同室の友共に飛んで共に帰らんと誓った友よ
血通わない時計の針を見て父は帳簿に記号刻んでいる


逢桜カイン
満月の隠れる朝には牙失くし妻にふられたオオカミが泣く
紺色の空の上に龍の棲む城があるから雷も鳴る
復讐を誓った一羽の白うさぎメフィストフェレスに銃を構える
美味しいよグルマンディーズの皿の上食べて食べてと少年が嗤う
青ざめよ逃げよ惑えよそら急げ見えない敵はあなたの傍にも


函南
(夏ぐるいへの臨床療法)
今まさに羽化する生物つぶす音とおくより(でもけっこうちかい)
塩素薫る夏の路地立つ摩利支天 子どもら踏まれ駆ける駆ける
また君がさっぱりとした理由を論ぜぬ品位はあれど蝉鳴く
(アルパカぐるいへの処方箋)
雲の壁つづら折れ降る多摩丘陵肥ゆるアルパカな濡れたまひそ
毛刈り後のきみの背中で神聖喜劇と残酷劇相撲ってる
鉄格子夏日に溶けゆくデルタトライアングルでアルパカ消えてる
マールテスに目覚めちゃだめよ外は卯月のもふもふまみれだからね

2011年6月20日月曜日

KUREMUTU CLUB 18 (2011/6/14)

               


親指に内視されたる八朔のそのみづみづしき苦味、ゆうぐれ
爪よごすま黒いあぶらのにじ色に女工の生き血は七色ありや
なんてことないわ、とこごる肉声へあつらえたよに陰茎いびつ
絨毯をてっぽう百合はよごすから 雄蕊(おしべ)折りとるひとのいとなみ


イモ野郎

アメショーと浜省の違い考える猫か人か?ネコ科とヒト科
アメショーとTHE虎舞竜で考える猫虎ドラゴンネコ科とヒト科
アメリカンショートヘアがよく映えるm.c.A-Tチラシをチェック
米国でケインコスギの挑戦劇米国屈指のSWAT訓練


逢桜カイン

青草の廃地をふるわす暁の照らす少女が妹を産む
血を吐いたあの人はふわと微笑んだその血を舐めてそっと微笑む

2011年6月8日水曜日

KUREMUTU CLUB 17 (2011/06/07)

キシ

おぼへたてのひらがなを紙に書きつけて、はじめて自分を表現す
駆け出したトンビ姿の同級生、地下足袋はいた足元のおぼつかなさ
西日よりまぶしい髪色にて幼さを押し隠しての漢字書き取り


逢桜カイン 1

(目の前に広がる放射能の脅威に)
見たくない聞きたくないし話さない逃げる私は馬鹿で良いです
青空と分厚い風に誘われて今日もコンビニ煙草を買いに
ネットでは饒舌なあの厭世家今年も夏が来ますよ多分
メッキの剥がれたピアス耳から落つ青い錆と過去こびりつき


函南今鳴

放課後にわたしの小さな可愛い邪悪あげます。 きてね?
黒塗りの献花ささげよ善人賑わす廃王記念公園へ
ほのあけき静の海に少女立ち しりたぶに聖痕咲き乱るる
SAWごっこしようよ!などと級友に肩掴まれて調理室前
落としたの金のサッチャー銀のサッチャー鉄のサッチャーいずれもぜんぶ


逢桜カイン 2

見晴らしの素敵な夜の公園で空のベビーカーぽつり夜景見る
高校の頃の私は知っていた煙草と女にまみれる僕を
友人がそっと異性に変わるときデウスエクスマキナ助けてよ

2011年6月6日月曜日

KUREMUTU CLUB 16 (2011/5/31)

―――――――――――――――――――――――            


函南今鳴

バスローブに手裏剣一振り忍ばすだけで世界がこんなに違うだなんて
ふたりして路面電車に乗ってると 巣鴨はサマソニ前夜のごとく
ようつべって何?とかたぶく首もしなやかに涙の落つる音もさやかに
悲しみにあらず喜びやあらずただ膝抱えて**するだけ
アナスイのグロス囁くおごそかに 私高校球児が好きなのごめん
1キロの助走をつけて暁の君の窓辺に柘榴投げ込む
ゼンブマシマシがもう食えないのじゃ老爺うなだれ雷光奔(はし)る
人は皆なべて失せたりこともなし進め青鯨朽ち果てるまで
あのころはわるくないひびだったわねと ななつのきみが謳いしまどりがる


イモ野郎
少年のおかず太郎も憧れたスタープレイヤヴェルディのカズ
今もなおフィールド駆けるカズダンスおかず太郎は言葉を駆ける
やったのかやってないのかナンバーに載らない方のミウラカズヨシ
澄む空気凍てつく吹雪白い山きこりのごとくケインコスギは





2011年5月28日土曜日

KUREMUTU CLUB 15   (2011/5/24)

                                                                                                                                                                                



キシ
はじめての 授業どこの教室で 見飽きた景色 もう一度眺め
見回して 見つけてさらに くりかえし 228と つぶやき迷子
歌、始めっ! 歌えうたえと急かされて 言葉の綾を ほぐすは絡むは

逢桜カイン
割れた爪彫られし呪怨赤い染みあなたが投げた恋人の末
如何する憎悪に生きる君ならば色好い答えに射(ゐ)殺されたい
或るときは見えないほど暗き君の目玉の白がぬらぬらと萌え
日が昇り未だ目覚めぬ小娘よ目覚めておくれ我独り泣く
明け方のヒシヒシしよる宙(そら)見れば不幸の星が近づきよるぞ

水頼
どいてくれと懇願しても動きません アグラの座にます犬神様は
かにさされたらかいちゃいけませんよ おなじところをさされてしまうよ
射ぬかれて 隻眼の猫 目を逸らした 潰れた瞳 黒水晶
地図上に矮小化する国家群 私はここで縮こまる

逢桜カイン
魔王も天使も少女もニートもみんな私の脳の管轄内です。
遺伝子と愛と死と生忘れない別れたくない寂し震える
↑よく聞く詩挙げてみたがまぁこんなもんありきたりでも別に悪かない
慎ましく生きてなんかいられんね図々しくも居直るからね

タソ
雨の道 端に蠢く桐の葉に手に汗握り視線を逸らす 

2011年5月22日日曜日

KUREMUTU CLUB 14   (2011/5/17)

――――――――――――――――――

逢桜カイン
顔に這う青い幼虫(おさなご)あやしつつふと思うんだが愛しているよ
けふかほる花のまつ夜は黄泉雀あすの地に臥せ聞くこえ雀
蓮の葉を渡ってゆければ花のくに君がゆくならそこで落ち合おう
歌姫のうたふ歌聞きうたかたの夢消え失せればすはうたたねも
明日を待つ心の空に泪落つ恋しか疎しかわかりかねゐる
まどろみの手から逃れぬこの春はいとしき君のこえを聞いても

逢桜カイン2 
日の当るベランダ微睡む猫ひとつそれを眺めていた寝子ひとつ
本当は内緒の話いけないのこんな話は人に知られちゃ
頑なに私は私と言い張る子やってることは人並みのうち
張りつめた情を詰めこむ袋ならもう一杯なのもう沢山なの
レズビアン爪の短いレズビアン深爪があの人への愛だと

水頼
銀座の路カメラを構える人の手に 人の形はさて何体か
脱ぎ捨てたズボンの上に犬二匹 手叩いて呼んでも動きません
紙巻のにおいに恋してるけど 雨のにおいにつられてもみけす

2011年5月16日月曜日

2011年度・春夏期の始まりです。

 東日本大震災や原発事故の影響で少し遅れましたが、ようやく学校が始まりました。
 KUREMUTU CLUBも、また始まります。
 授業で使うためのブログなので、参加者はガラッと変わってしまいますが、新しく加わる人たちに期待したいところ。数名は継続参加の人たちがいるので、支えてもらいたくも思います。
 
 毎週、このブログの最新の場所に、コメント欄から作品を投稿してください。それを印刷して、教室で検討します。ギリギリの投稿分は印刷できない場合があるので、なるべくお早めに。

 作風は自由でかまいません。慣れない場合はうまくいかないで当然ですから、肩肘張り過ぎないように。

 なにか用事などがある場合には、下記アドレスまで連絡をください。
 kuremutu@gmail.com

2011年3月8日火曜日

ゆりえさんからコメントをいただきました。ありがとうございます。

◆授業には出てきていない「ゆりえ」さんから次のようなコメントをいただきました。
 コメントは、どこのコメント欄かわかりづらくなることもありますので、ここに再録させていただきます。ご了承のほどを。


◆「はじめまして。

コメントしてよいのかわかりませんが、本郷短歌会幹事、心の花会員の安田と申します。

1年ほど前、初めてこのサイトを見つけた時、早稲田にこんな授業があるのかと感動し、またうらやましく思いました。

学生短歌会の幹事として、また8年ほど短歌の愛好者?である身として、講義に参加なさっている方の歌や評など大変興味深く、ときどき覗かせていただいております。

また、必修短歌は本当に完成度が高く、選のセンスもさることながら、有名な歌のみならず、隠れた名歌が多いと感じています。短歌に興味があるお友達に、このサイトを紹介したりすることもあります。

個人的にもわたし好みの歌が多く、データ化して見直せるようにしています。

今回は、記事の内容(多くの部外者の方がご覧になっていること)などに励まされたのもあり、応援の意味をこめてコメントさせていただきました。

このような講義を継続なさるのは素晴らしいことだと思います。これからも応援しております。


最後に拙歌を少し。

朝なさなかなしみの実を食みこぼす鳩を胸内(むなち)に飼ひてゐるなり

をさな子に鶴の折り方示しをりあはれ飛べざるものばかり産む 」


◆ゆりえさん、いいお歌をありがとうございました。景とご自分の心とのあいだに、どのような意味でもごまかしのできない距離の涼しさを保ち、そうしてくっきりと生きていらっしゃる方。近代短歌の正統を継ごうともしていらっしゃる方ですね。
 「心の花」は早稲田とは繋がりの深い結社ですし、縁浅からぬものがあります。
 本郷短歌会というと東京大学の…でしょうか?そうだとすれば、こちらも、早稲田とはつねに行き来のあるところ。
 KUREMUTU CLUBとしては、のんびりした交流が生まれれば、と望みたいところです。
 
 
◆早稲田大学の第二文学部も今年で終わりになりそうで、やがてはこのKUREMUTU CLUBも、3D世界の教室空間から解脱して2D空間だけに生きていかねばならなくなりそうです。
 もとより、シバリのまったくない空間で、書きたい人が自発的に書くというだけの場所。それだけに、今年が本当に最後ともなりかねませんが、教室の外からご覧くださっている皆様、どうぞ、よろしく御贔屓のほどを。


◆そして、そして、……
 主導者も主宰者もいない短歌空間をKUREMUTU CLUBは作り上げてしまったのでもありますので、(事務上、維持者だけはワタクシがやっております)、どのような方でも作品をお送りいただいてかまいません。

 詩歌というのは、たしかに長い時間をかけて美的判定を重ねていく対象でもありますが、まずは自己申告の美学です。
 多勢に無勢であっても、作者が、これが美だ、これが詩だ、歌だ、と突きつけて見得を切るところに、妙味も価値も核心もあります。

 作者が突きつけてきたものの前で立ち止まって、「………」と無言になったり、まとまらない評を口したりしてしまう時間を大事にしたいものです。


◆KUREMUTU CLUBは、あまり批評をしないで、提出されるものは皆よし、という立場を採ります。
 これは、批評の軽視や、安易な自己流創作の承認のようにも見えるでしょう。

 しかし、あまりに多くの批評や批評的観点、そして批評家たち、そればかりか、美意識も価値観も倫理も、ごくごく短い時間のうちに溶解し、崩れ、人気を失い、無視されて消滅していったのをワタクシたちは見てきました。
 ホラチウスの名句、「ああ、ポスツマス、ポスツマス、歳月の過ぎゆくことのいかに早き(Eheu fugaces, Postume, Postume labuntur anni)」を思い出させられます。

 批評というのは、ある程度の真似事なら誰にでも簡単ながら、じつは極端に難しいことです。
 高浜虚子のこの言葉を忘れないようにしておきたいものです。
「自らいゝ俳句を作らないで、俳句論をするものがある。さういふのは絶対に資格が無い。俳句では、作る人が論ずる人であり得ない場合は多いが、論ずる人は立派な作家であるべきである」。

 だから、まずは作ること。
 それを人に見せてしまうこと。
 評価もほかの意見も貰えなくっても、とにかく次々作ること。
 あとは、
「行くところがわからないほど
 崇麗なものはないだろう
 すべて偶然の神託によるべきだ」(西脇順三郎『生物の夏』)
 という精神でいいのではないでしょうか。

 もちろん、菱川善夫のこんな言葉も忘れずに、ひそかに自戒の句としつつ。
「瞬間的な自己浄化に自足し、孤立している人間は、幼稚園児的殺し屋になるのがせいぜいであろう」(『急げ!歌の殺し屋』)
 とはいえ、集団というものを信じ、よき集団というものが作り得ると信じられていたかつての日本での菱川の発言は、今ではひどく時代がかったものに見えます。

 むしろ、群れるということを信じていなかったし、できもしなかったジャン・コクトーのこんな言葉のほうが、やはり力を与えてくれ続けるかもしれません。
「詩人が詩を書くのは、自分と同じ言葉を話す人間を見つけるためだ」。
 さっぱりしていますね。
 詩の定義のひとつとして、これだけ抜かりのない完璧なものも少ない。
 さすがです。




 




 

2011年2月28日月曜日

打ち上げ飲み会は3月1日に!

3月1日(火)、18:00頃に高田馬場駅前ロータリー集合ということで!
みなさんに好都合な日時というわけでもないでしょうが、まぁ、集まった人たちだけで、のんびり話しましょう。

2011年2月4日金曜日

2010年度秋冬期の終わり。そして、飲み会。

 

 早稲田大学第二文学部の表現・芸術系の後期もいよいよ終了。ということで、2010年度秋冬期のKUREMUTU CLUBの公式活動も終わりとなりました。
 
 短歌や、短歌に近いかたちでの詩作が、今回もそうとうに弾け続け、ずいぶんと刺激的な成果が得られたように思いますが、みなさん、いかが?

 ちなみに、このKUREMUTU CLUB、教室に集った仲間だけしか見ていないかと思うと大まちがい。
 じつはけっこう広く、世界のあちこちでご覧になっていた方々があります。
 国名を挙げると、日本、アメリカ、ラトビア、フランス、グアドループ、ルクセンブルク、大韓民国、台湾、アラブ首長国連邦、カナダなど。
 これらの国々のみなさん、ごらんいただき、ありがとうございました。
 一行程度の短い詩をみなさんもお書きでしたら、どうぞ、お国の言葉ででも日本語ででもけっこうですから、およせください。
 ここは、今までの詩のかたちや内容に飽き飽きしている人たちの場、しかし、まぁ短くズバッときめたいネ、っていう人たちの国際的な場ですから。
 あ、宇宙人の方も、もちろん、どうぞ。


 さて、打ち上げの飲み会。いつにしましょうか?2月の第2週でよさそうな日をコメント欄に上げていってください。(この投稿欄を開放しようと思ったんですが、そのためにはみなさんのアドレスを貰わないといけないので、今回はとりあえず、作品と同じように書き込んでください…)
 わたくし、藤原夏家は、第3週は用事がありますので、第2週か第4週がいいのですがな。
 ではでは、よろしく!!!
 
 
 
 

KUREMUTU CLUB 2011/2/1 (後期13)

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KUREMUTU CLUB 2011/2/1 (後期13)


               



石井 光

とりあえず外出ろ歩け酒を飲め いずれは終わる友情ならば

日本橋から徒歩で鎌倉目指しますその距離なんと53キロ

我々は確かに今を生きていた 血豆だらけの足が証拠だ

流れ行くものに気づかぬふりをするフリがうまくなったなお前

我々は誰の目にもアホだった 歌はどこまでも遠く響いた

朝焼けが忘れさせたる酒焼けの眠りて覚めて夕焼け小焼け



ファミレスの向かいに座るすっぴんの頬が丸くて丸くて丸い

夏の夜に踊る氷はアルコール十二・三度の酒になりけり



旅立つ日の朝は妙に晴れ渡りやっとの思いでアクセル吹かす

「飛び立ってしまいたい」とか歌ってる 宮沢賢治になりてえのかな

(北海道セイコーマートに置いてあるたまご焼きそばパンはうますぎ)

「こんなとこで寝るんじゃないよ」と警察 旅は道連れ「夜」は情けかな

瀬戸はただ夏日を我にかへしたり 君と西瓜をかっ食らひたし

サンダルのベルトの形の日焼けなり 随分遠くまできたもんだ

霧島で霧島を飲む贅沢は人にはなかなか理解されない

一本の電話が繋ぐ夜と夜 「寂しい」なんて言わないでほしい

「ようやくたどり着く彼を待つものは!」この番組に次回は無い



熱病にかかったような夏が過ぎアホなことなどもうやめると言い

宿題がたまったままでいるような八月三十一日の夜

キッチンの割れたグラスに思うのは 旅の夢路も今日終わるよな

久しぶりに会った笑顔に振り返る 今まで俺は何をしてきた



わが友よ ひとつの夏が過ぎていった また会う日までどうか達者で





逢桜カイン

エゾリスと乾いた風に誘われて娘とドングリ割ったり投げたり

父さんは昔木登り駄目だったおてんばなのはママゆずりかな

お父さん、この木はなぁに?それはママが好きだったさくらの木だよ

ドングリを連ねて作った首飾り娘に見せれば一言。ママに!



ふぢゆう

ひるの膳と声をかけよかかけまいか かがる瞼の“father”“mother”

包丁を滴る果肉のひりつきと啜る小指に雪の融けきる

眼球の2Bほどに濃い睫毛を舐めとられるよる がか座のまぶしい

塩辛くなくなるように祈りつつつめたい硯に垂らす唾液は

糠のよななにかを踏んだ気になつてなするかかとに蟹痙攣する



影山間

早朝の布団の隙間父と母幼さゆえに固唾たらたら

乙女心粉砕ゲーム最終局どう足掻いても共倒れゆく

「私たちどうしてこんなにモテちゃうの?」おしゃれ宗教最盛期だしっ☆

大ブーム人類ちゃんのバベライズ崩壊しちゃえば叫びはおんなじ

転げ落ちた 痛みに痛んだその先に 湯気たつ朝餉があればいいのだ

君が代が千代に八千代に苔生して忘れ去られて我が代となって



佐藤穂高

剥がれ落ちぱりんと割れて消えてしまいそうな優しい空の色です

騒がしい子どもは嫌い甘えたら一緒に遊んであげなくもないけど

汗だくのクリームソーダのフロートのまわりに集まる薄氷がすき

雰囲気は明るく楽しくできたらな虫とか食べる植物みたいに

さよならをするのが嫌で駄々こねて泣いて騒いだ僕にさよなら

ボタン押す→印刷される みたいなね 単純思考で飛び越えていけ

厚い雲をさいてまっすぐ届いたよ ぼくの部屋はもうあったかくなったよ



ゆるり

コスモスが頭かしげてゆれるのは姉さんに自己紹介しなさいって言われたから

いい天気。意識不明の重体に陥りそうな大学の午後

辞書にある嬉しいヤバい愛してるに当てはまらないこの気持ちはなに?

ねぇエリー「あなた馬鹿ね」が口癖のきみは誤解が得意だったよ

寒天のごとくぷるぷる味のない現実にちと黒蜜かけよ

波がさらう砂に撫でられきみの足。日焼けしらずの透き通るシロ

おいかけていたはずなのにワイ字路で別れたみたいだいすきなひと



なかだてくん

荒れた肌から覗くあなたの中身 私の町を夜にする

ママが寝てるドアを一枚隔てた先は 県警迫り来る世界のハナシ

色濃園(しののえん)弄る悪霊ネクロマン 誘われたいなら吝かでないと

カーラジオ語りかけたり『しんでみたい』 ゼロティカ二乗の"Seventeen"

柏から土だけ食べてゴールイン 胃洗浄系の断食芸人

私の悪魔はすごい笑顔で落下した ビル風切ってるキラーパス

私の部屋にはたまに銀河鉄道がやって来て 『しょうもない』とか言って帰る

“われももう”自問自答のセクシャリティ あなたの顔であなたを抱きたい

横目なうKITSUNEとゾンビのにらめっこ ネイルサロンに渋谷まで

指先を通じて伝わる「サヨウナラ」 日本代表、ビューティフルゴール

米兵もラップで愛を叫びたい 靡いてママのフェイクファー

唾液にも意味が在るのよわからずや 読み取れるまでここにいなさいっ 

お祖父ちゃんフロリダ産まれのプリズナー 「逃げて来たんだ」皺の迷路に

KUREMUTU CLUB 2011/1/18 (後期12)

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KUREMUTU CLUB 2011/1/18 (後期12)

             



aiji さんのコメント...

あいじ



ジェイアール熱気でくもる窓ガラス心ははだかと書いてみた



短歌ができなくて詩です。



鬼の舞い



ママ鬼がでたよってパパ鬼がいった

ママ鬼がでたよってパパ鬼がいった

それをきいてたんすの裏へ

パパ鬼も続いてたんすの裏へ



ママ鬼がでてきてはだかで踊った

髪さかだててはだかで踊った

それをみてると小指のさきが

ふるりふるりと動いてきたので

そこをぬけでて一緒に踊った

パパ鬼もでてきて一緒に踊った

部屋いっぱいに火の粉がまった



むこうで赤ちゃんの声がした







どろけい



暗くなってからのどろけいは

だれがだれやら見わけがつかぬ

けいさつだっけ

泥棒だっけ

そもそもあんたは誰だっけ

まあいいや

くらくなるまで 一緒にかけよ

暗くなったら 一緒に かえろ

母屋



ちらかっていて  あったかい

ぼんやりしてて  ほのあかるい

しっとりしてて  ひんやりしてる

かげには だれかが かくれているね

   ゆらかぜ あしもと さらってく

みんなが こきゅうを はじめたよ









あそこの枝が するするのびて

きのうの 水が くぼみに のこって 

ひかりが あたって

影がとまって

遠くの山から 鳥がかえる

おとがするよ



それから わずかに 開いた

青のさけめに



おおきく さけぶの



もうすぐ かえる



 まっててね



    黙った塔が ありました



    ことばの むこうに

    たたずむ 塔が



    ふかい 霧の 谷のなか

 

 陽がのぼり  おちるまえの

    いちどだけ

    だれもしらない おんがくが

    色やわらかな つぶたちが

    すみのすみまで 届いていって

    しずまってから

    そのまま ゆっくり 

    しずむのです。



恋をしれば



          舟がつく



       水際

2011年1月11日18:00



すずきなおさんのコメント...

靴紐が千切れたときの代用品 実は少々結びづらいし

止まります。左ハンドル道の駅農作物に祈りを捧ぐ

2011年1月18日3:37



藤助さんのコメント...

新年になってもう18日も過ぎたとは。まるで嘘のようですね。寝ずに試験勉強を続けてドロドロなワタクシです。

ふぶき舞い卯白姿(後ろ姿)が雪化粧 去りゆく君に願う吉祥

二万円なくして気づいた有り難さ 信心くれた後厄(ごやく)の賀正

ポストには宣伝チラシが残るだけ 焼け酒あおり嘆く初春

とりあえず初日の出だけ拝み見る 心も寒いヘベレケ男

もしかしてタイガーマスクのおかげかと 戻ったお金見つめて思う

2011年1月18日10:45



佐藤穂高さんのコメント...

皆様テストレポートお疲れ様です。不規則な生活の中で寒い日が続きますので、お体など壊されませぬよう。

自暴自棄なわけじゃないです 滅多にない優しくしないサービスなんです

凍りつく道はスケートリンクみたい今夜も車が電柱にキス

あたためていたものなのに気づいたら笑ったあなたにあげちゃいました

青空と水平線が交わって溶けちゃったから島は飛んだの

ふたりでさ傘に入るとふたりとも鞄も服もずぶ濡れなのに

上ばかり見て歩いたらそのうちね転んで怪我するよ危ないんだよ

2011年1月18日11:42



逢桜カインさんのコメント...

罪人よわたしの胸をかしてやろ泣きて爪立て泣きてすがれや

しやくしやくと音をたてて崩れ居る氷の神殿我はデイダラ

素肌より死氣匂ひ立つ私では愛でられまゐてあなたと言へど

ゆるゆると水の垂れたる鉢の端水浴び蛙のなめらかなしり

手探りであたたかな土をさまよへば月の影差す私のあなぼこ

2011年1月18日13:11



ゆるりさんのコメント...

ゆるり

久しぶりに詠みます。

寂しさとあきらめを見た船橋の空は天使がほほ笑んでいる

国会のヤジに疲れて寒い朝ニュースの意味をなくすトースト

しあわせとギムを脂肪につめこんで頑張るパパの丸いウエスト

悲しみも迷いも嘘も産声も吸い込んだから青いのか空

オリオンが冷たい闇にしがみつく夜をしんしん白く染めよう

太陽はまぶしくて目が焦げてしまう。妬けてしまったこころが痛い

身に潜む破壊衝動をつかまえてラップにくるんでぽいをしようか

愛してる。帰らない庭に立ってみる。熱い憂いと過去のしあわせ

なぜエリーぼくのむねからきえないの?きみのかけらも愛せないのに!

脳内の言葉の海に溺れたくないからごくん。ホットなココア

語れないけどそばにいたい木漏れ日を死ぬまでずっと抱きしめていよう

2011年1月18日14:49



山本 明徳さんのコメント...

浜松待たずに寒い寒いと乳飲み子攻撃冬将軍といい勝負

静岡着く頃乳飲み子ピンチ車内販売に粉ミルクねえから

小田原攻めで形勢逆転おっぱいによりエネルギー充填完了

品川到着俺目覚め旅立つために歩き出す8年間に思い馳せ

2011年1月18日16:51

KUREMUTU CLUB 2011/1/11 (後期11)

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KUREMUTU CLUB 2011/1/11 (後期11)               



maya. さんのコメント...

鳴り止まぬ耳鳴り拭って駆け抜けた君が呼ぶなら何処へでも行く

君の臍小さく光る宝石に舌を這わせて闇を侍らせ

桜迷路で見つけた君と今度こそ天国へ堕ちて狂い咲くまで

熱帯魚涙の海で泳がせてあなたは言った最後の夜だと

2011年1月10日23:16



逢桜カイン さんのコメント...

名前のリンクでツイッタ—に繋がります。

はしたなく寛ぐ脚に火傷あり我は其を見て毛布をかけり

裏切りしあなたは地獄に堕ちるでせう私はあなたの供養をしませう

愛らしいあの子の笑顔に叩かれて復讐じゃなくただやりかえす

かじかんだ手先で付ける紫煙の火今夜も私は冷え込んでいます

母親にしかられ泣き出す幼子のなんと気持ちの良い泣きっぷり

いとわしいものなぞこの世にあるものか全てを受け止めそして泣きます

2011年1月11日1:54



すずきなおさんのコメント...

畏まり鎮守の森に腰掛けるジャンクフードで禊の支度

日常にありふれている八百万工業地帯で拍手(かしわで)響く

2011年1月11日3:26



佐藤穂高さんのコメント...

あけましておめでとうございます。

ご無沙汰しておりまして大変申し訳ないです。

本日は参ります。

押しつける風をかきわけ歩いてく少女の傘はまだひしゃげない

眠るような速さでこの手をすり抜けて君が溶けたネオンが滲む夜(よ)

寝てたいよ降るぼた雪に気づいたら埋もれてしまいそうな師走は

乾いてる雪が乾いたアスファルトを駆け抜けている 溶けないでいて

マジックでみかんをうさぎにアニミズム笑って親指突っ込み虐殺☆

丑三つに瞬いている新宿の灯は絶え間なく燃やされている

2011年1月11日13:11

2011年1月4日火曜日

KUREMUTU CLUB 2010/12/21 (後期10)

KUREMUTU CLUB 2010/12/21 (後期10)


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さや

ふわふわのしっぽを掴んでみたけれどこの手の中にあるは空(くう)だけ

ひらひらと夢へと覚めていきそうな風海帳ひらひらひらり

突き抜ける感情生命願望あたしはあなたのおもちゃじゃないのよ

うそつきな赤は緑とおともだち闇の音きこえる地平の向こう

光落ちる涙の木々はかわいいね母が言うからここはあたたか

まるで表情(かお)あるようなふりしてるけど背中がにおわす無情の音楽

色もなく香りもないようなわたしには一体なにが聞こえるという

耳はえた子供がひとりバスの中男は知ったこの世の温色

拾われた猫は時計をもらったの隣で眠る呼吸という名の

身体の中転がるように行くビー玉それがわたしのちっちゃな正体



すずきなを

Tシャツにメトロノームがりずみかるロココ調とか言われましても

出社前今日の献立ネオソウルお台所は武器の宝庫やぁ

霧の中あっちこっちで厄落としこんなに溜まってどうしましょう

選択肢 剣かコーラン エンドレス 倒錯的に充実します

顔上げて実現可能なマニフェスト来年までに今年を終える




若松”おかず”太郎

一番言いたい「3」は?

消しゴムをぶんぼうぐ屋さん買いに来た¥38000いくら何でも

おすし屋さん握りながらも怒った顔たまたま来てた火星人(アイツ)のマナー

冬到来ケインコスギが磐梯山きこりのごとくのこぎりはしらす

焼けるのか?三年ぶりのパンセッションロックンロールだ熱いパン屋さん


◆(参考:「KUREMUTU CLUB 2010/11/30 (後期7)」掲載分)

山中で敵の気配を察知して力の限り走れ逃げ切れ

新緑の雑木林でセミが鳴く抜け殻だらけ匍匐前進

この泉敵のワナかも知れないな飲んだら最後人格チェンジ

窓の外火星人基地目に入るふと門の上目光る般若

戦隊は日々の訓練欠かさないケインコスギはカクレンジャー



山本.com

合コンでドン引きされたよ自己紹介その名も顔面卑猥.com

携帯で「変態なう」と呟かれ顔面寂しくトルコへ卑猥.com

サンタです実働1日あと爆睡バイト任せの勝ち組です

バイトです夢の仕分けやってます時給制の負け組です

朝靄の列車で向かうよこいごころ白い吐息が切符だよ

乗車拒否.comは乗せません.comだけ乗らせません.comは



逢桜カイン

冬薔薇のささやかに咲く裏庭で戻らぬ乙女を待つ東屋

はまぐりのうつらうつらとする朝は海の向こうに故郷が見えたり

霧の舞うあかつきを待つひとときに娘を抱いて港を見に行く

狂い咲くつるを持たない朝顔にそっとぬるんだ白湯を飲ませる

どうしても娘が外に行きたいと言うので見れば雪がちらつき

珍しげな顔する娘に雪たちはすげなく溶けて水になり消え

寒空にいも屋の声の響くとき今更祖父のおつかいに行きたい




藤助
大晦日ムーンウォークで徒競走 後ろ向きでも気持ち前向き

大掃除こころの中から始めよう 厄除けついでに墓石が立つ

いつだって人を呪わば穴ふたつ 素敵な人が在ったらいいな

挨拶もろくにしないでおだあげる 殴られぬよう気をつけな

新年は畳の上で迎えたい はばかり様は早く済ませて

KUREMUTU CLUB 2010/12/14 (後期9)

KUREMUTU CLUB 2010/12/14 (後期9)


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若松”おかず”太郎



何ファンだ?アムラーシノラーいたけれどちょんまげ着物お顔は真っ白

平均だ数学英語理科社会、国語が苦手僕火星人

わーショック魚黒こげ米硬い味噌汁こぼし朝食煮豆

ドンフライ漢と漢の殴り合いそこにシビれる憧れむぅぅ

ラックの種ひと粒二万落花生脳内変換うんがあがった!

2位なんてケインコスギは狙ってないトップをねらうこれコスギズム


逢桜カイン

じんわりとストッキングに伝う汗ヒートテックもグッジョブじゃないか

灰色頭のおじさんに「いやです」惨さなんか見捨ててツカツカ

肉染みの包帯を替える君の顔思い詰めては接吻などして

はだけつつ透ける肌いろ長襦袢気だるげな足色づく目尻

君だけは忘れて良いよ何もかも旧暦十月一日爆ぜた日

つれてって貴方が生まれた根の国にそしたら私ようやく眠れる

KUREMUTU CLUB 2010/12/07 (後期8)

KUREMUTU CLUB 2010/12/07 (後期8)

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maya.

君とぼく寒空の下共犯者溶けて混ざって春に消えよう

ずるいきみ好きになる気などないくせに好きになってもいいよだなんて

似過ぎてるあなたとわたし埋め合った傷付け合って愛呼んだ冬

「抱きしめて」特別なキミ、わたしだけ。恋でも愛でもないのだけれど。

愛なんて知りたくないから知らぬふりあなたの指で今日も溶けてく



逢桜カイン

王子様、いるじゃないのあちこちに。貴方が王妃じゃないだけでしてよ

赤い目のアルビノバニーは九つで魔術師オヤジに買われて行ったよ

エナメルの可愛いバッグが欲しかった。ただそれだけよ、多分それだけ……

学校をサボってセンセと二人乗りバイクが転んでパンチラズシャァア!!

ナプキンの羽があたしの貞操帯今日は何もされてあげません

いつか二次元に行けるVSこの世が萌えに満ち溢れる

仁王立ちのあのこの腿にひとすじ紅が引かれるあのこが微笑む

ねばりつく夕日が満ちる放課後にふたりの乳房は色を孕んで

セーラー服体育館に仰向けで子を宿すための準備運動

盲目の女子が伸ばす華奢な指何も知らずに恥骨をなぞるの?


山本 背徳

ペチペチと雨音かしらと外見れば布袋が恵比寿と殴りあい

弁天が飯を呉れると来てみればネトゲに夢中で布袋に密告

内定出たと猿が言う給料木の実でサーカスの象の尻洗い

伊勢参り今年は軽トラで詣でらむ荷台に猿を敷き詰めて

菩薩が万引き警察と布袋に言うのはヤメテと泣きながら

強盗したるは住所不定無職の観音様ハロワを案内優しい俺



藤助

師走にも紅葉舞い散る大通り あきあきしたらとうとうフユか

寅年の男もすなる厄払い 役目ないまま厄ばかり焼く

「よのなかね、かおか、おかねかなのよ」って 浦和と母がガハハと笑う

雪降らずフラれて帰るクリスマス 思い出だけがただプレゼント

ピリオドの向こう側まで酔い潰す 覚めた時には寅も去りなむ