2011年5月28日土曜日

KUREMUTU CLUB 15   (2011/5/24)

                                                                                                                                                                                



キシ
はじめての 授業どこの教室で 見飽きた景色 もう一度眺め
見回して 見つけてさらに くりかえし 228と つぶやき迷子
歌、始めっ! 歌えうたえと急かされて 言葉の綾を ほぐすは絡むは

逢桜カイン
割れた爪彫られし呪怨赤い染みあなたが投げた恋人の末
如何する憎悪に生きる君ならば色好い答えに射(ゐ)殺されたい
或るときは見えないほど暗き君の目玉の白がぬらぬらと萌え
日が昇り未だ目覚めぬ小娘よ目覚めておくれ我独り泣く
明け方のヒシヒシしよる宙(そら)見れば不幸の星が近づきよるぞ

水頼
どいてくれと懇願しても動きません アグラの座にます犬神様は
かにさされたらかいちゃいけませんよ おなじところをさされてしまうよ
射ぬかれて 隻眼の猫 目を逸らした 潰れた瞳 黒水晶
地図上に矮小化する国家群 私はここで縮こまる

逢桜カイン
魔王も天使も少女もニートもみんな私の脳の管轄内です。
遺伝子と愛と死と生忘れない別れたくない寂し震える
↑よく聞く詩挙げてみたがまぁこんなもんありきたりでも別に悪かない
慎ましく生きてなんかいられんね図々しくも居直るからね

タソ
雨の道 端に蠢く桐の葉に手に汗握り視線を逸らす 

2011年5月22日日曜日

KUREMUTU CLUB 14   (2011/5/17)

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逢桜カイン
顔に這う青い幼虫(おさなご)あやしつつふと思うんだが愛しているよ
けふかほる花のまつ夜は黄泉雀あすの地に臥せ聞くこえ雀
蓮の葉を渡ってゆければ花のくに君がゆくならそこで落ち合おう
歌姫のうたふ歌聞きうたかたの夢消え失せればすはうたたねも
明日を待つ心の空に泪落つ恋しか疎しかわかりかねゐる
まどろみの手から逃れぬこの春はいとしき君のこえを聞いても

逢桜カイン2 
日の当るベランダ微睡む猫ひとつそれを眺めていた寝子ひとつ
本当は内緒の話いけないのこんな話は人に知られちゃ
頑なに私は私と言い張る子やってることは人並みのうち
張りつめた情を詰めこむ袋ならもう一杯なのもう沢山なの
レズビアン爪の短いレズビアン深爪があの人への愛だと

水頼
銀座の路カメラを構える人の手に 人の形はさて何体か
脱ぎ捨てたズボンの上に犬二匹 手叩いて呼んでも動きません
紙巻のにおいに恋してるけど 雨のにおいにつられてもみけす