2011年6月8日水曜日

KUREMUTU CLUB 17 (2011/06/07)

キシ

おぼへたてのひらがなを紙に書きつけて、はじめて自分を表現す
駆け出したトンビ姿の同級生、地下足袋はいた足元のおぼつかなさ
西日よりまぶしい髪色にて幼さを押し隠しての漢字書き取り


逢桜カイン 1

(目の前に広がる放射能の脅威に)
見たくない聞きたくないし話さない逃げる私は馬鹿で良いです
青空と分厚い風に誘われて今日もコンビニ煙草を買いに
ネットでは饒舌なあの厭世家今年も夏が来ますよ多分
メッキの剥がれたピアス耳から落つ青い錆と過去こびりつき


函南今鳴

放課後にわたしの小さな可愛い邪悪あげます。 きてね?
黒塗りの献花ささげよ善人賑わす廃王記念公園へ
ほのあけき静の海に少女立ち しりたぶに聖痕咲き乱るる
SAWごっこしようよ!などと級友に肩掴まれて調理室前
落としたの金のサッチャー銀のサッチャー鉄のサッチャーいずれもぜんぶ


逢桜カイン 2

見晴らしの素敵な夜の公園で空のベビーカーぽつり夜景見る
高校の頃の私は知っていた煙草と女にまみれる僕を
友人がそっと異性に変わるときデウスエクスマキナ助けてよ

2011年6月6日月曜日

KUREMUTU CLUB 16 (2011/5/31)

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函南今鳴

バスローブに手裏剣一振り忍ばすだけで世界がこんなに違うだなんて
ふたりして路面電車に乗ってると 巣鴨はサマソニ前夜のごとく
ようつべって何?とかたぶく首もしなやかに涙の落つる音もさやかに
悲しみにあらず喜びやあらずただ膝抱えて**するだけ
アナスイのグロス囁くおごそかに 私高校球児が好きなのごめん
1キロの助走をつけて暁の君の窓辺に柘榴投げ込む
ゼンブマシマシがもう食えないのじゃ老爺うなだれ雷光奔(はし)る
人は皆なべて失せたりこともなし進め青鯨朽ち果てるまで
あのころはわるくないひびだったわねと ななつのきみが謳いしまどりがる


イモ野郎
少年のおかず太郎も憧れたスタープレイヤヴェルディのカズ
今もなおフィールド駆けるカズダンスおかず太郎は言葉を駆ける
やったのかやってないのかナンバーに載らない方のミウラカズヨシ
澄む空気凍てつく吹雪白い山きこりのごとくケインコスギは