2012年2月1日水曜日

KUREMUTU CLUB34 2012/01/31

若松”おかず”太郎

ああ寒い背筋が凍り時止まる八割そんな一月二月
恩田川桜並木にケイン来るそんな話はゆめまぼろしか
恩田川桜並木に火星人ザリガニ求め川辺さまよう
恩田川わたしの夢はネオニートケインコスギと川辺さまよう





見渡せば広がる一面ホワイトワールドあの子はどこに消えてった
雪国で知る人いなく孤独感 明日はいい事あればと願う
喫煙所勇気を出して声かける眼鏡の君は北の人
今日は会えるだろうか吹雪の中君を待つメンソールの煙草片手に
帰りたい陽のあたる場所に春が来るまでに帰れるだろうか


山田五郎

春の頃一期一会もバラバラに固く閉ざした空桜無し
鶴の子も五つになると霊となり八つの頃には死に絶えるのみ
透明な少女の頬も夕暮れに待ち人想い紅く染まりし
昼休み東の国からこんにちはサングラスと語るハタチの思い出
移り行く列車の窓から見る夢は流れ流れて雲となる
ゆれるゆれるトラックが通ってゆれるゆれるしかれども心ゆれずゆれず
水滴の行く末追って辿り着くそこにそびえる二本の廃塔
海の中立方体のあのカタチそういや涙にあったっけな
黒き者甘い団子を追いかけてタンゴを踊ってパンパカパン
忘れない忘れたことを忘れない今日の太陽一つの太陽



水頼

目に見えぬ黒に怯える事なかれ肺臓のこけ肝のしらやみ
なのにち前にふった雪はビルの影になって凍りついてしまった。
だれもいない。あしあとない。とけない。なのにちまえのゆき。あしあとはない。
いごこちがよすぎかたまってしまった、きみのはねをうごかしてあげたい。


スガワ

幾たびも学校内を歩きまわれど暖かな場所は見つからぬまま
やめようかやめるべきだと思いつつ喫煙所へと向かう足跡
今日の雨明日の晴れもわかるけど降る雪止める術は無きかな
弟子屈の白い大地に立ちつくし見つめるほどに星は輝く
すべるまい転ぶまいとぞ忍び足時計に目をやる余裕なきかな



岸瑞穂

久々に届いた手紙は呼び出し状 地図も時間も解読不可能
のうてんきに家を出てはみたけれど、今日じゃなくてもいいのかな
かなり寒いっすね いや厚いっすよいやいや明日は暖かいす
アイス食うの?この寒いなか?真夏に鍋会開くみたいな?
稲穂は背筋を伸ばしたままで今年は食べられそうもないきりたんぽ
タンポポ珈琲飲んでみたい たまには冒険しなくては
食っては吞んで吐いて大学生、一口かじって消化して大学院生
あっ、悔い?ん― 正攻法で勝つべきだった。ブラックコーヒー今日は無理… ミルク!
観る、食い入るように。網の上 肉焼く係 返しどき
私道ぎりぎりに建つ公民館 右足わたくし左手おおやけ
ヤケになっての歌づくり かれたノドに染みこむコンポタ
ポタポタ涙を落とせばいいさ 塩分摂りすぎ!排出どきさ

2012年1月29日日曜日

1月31日は最終授業です。

秋以降、まだ十分な数の作品を出していない人は、急いで投稿するようにしてください。

2011年12月19日月曜日

12月20日はお休み

今年の演習は12月13日で終了しました。塚本邦雄、寺山修司、若山牧水らの代表作を読み直し、検討し直しました。
 12月20日はありません。
 1月10日にまた始まります。
 授業では現在、斎藤茂吉の代表歌を多量に再読検討中ですが、これは来年1月も継続していきます。

2011年12月13日火曜日

KUREMUTU CLUB 32

水頼

あなたに与えるお金はないわ哀愁蝦蟇口中に目薬

現代人は字が汚いというがね偉人の手紙を読めるかね

四十二行聖書よりも私は怪物誌が愛おしく

細かく刻んだキャベツの使い道を考える前に夕餉は過ぎた

マンティコアの尾で君私突き刺し鋸歯で私食べて

もう冬と嘆く他人を君嘆く。紅葉狩りの予定は来週

2011年12月6日火曜日

KUREMUTU CLUB 31

イモ野郎

新企画猪鹿蝶の集う宿犬猿雉は明日で解散
日曜日スプーン、箸も戸の中にしゃもじが詰まって開かずの戸棚
本当に徹頭徹尾無糖なの血糖乱れて糖尿病
池谷とケイン、照英 三銃士 マッスルエリート今夜激突





少年に指さされ笑われて手を振り答え強く地を蹴る
豆腐食べ納豆つつきて豆乳drinkイソフラボン君にoverdose
秋の暮れ見つけた抜け殻身も心も揺れ動くかな水鏡

KUREMUTU CLUB 30

青木

肉体が淫靡であるのを知らぬよう全裸で食するアルヘンティーナ
取締役会で寝る快感を心の限りさけんでみたい
用を足すだけではない!ここはいまドン・キホーテの女子更衣室
ねえハニー世界がみんな敵ならばノベルがひとつ書けると思う?
ぐしゃぐしゃに濡れた少女が雨の中ぴちゃぴちゃ水たまりをすいとる


いとしのエリ

継ぎ接ぎの時間を集めかじかんだ心に当てる買うより安し
ずっと前流行ってたのをなぜか買うあたしの一人カピバラブーム


水頼

うぞむぞのワナビのさけびみにしみて みみをふさぐわれもワナビ
あの木には鳥が生えていない。その木には生えているのかしらん。
時計の針は水あめだからよく垂れる。水あめだからよく絡まる。
ちちははのほうれいせんをなぞりなさい。きっとあなたはなぞれない。
ドロヘドロ かきわけたことがないのならいちどぬまにはいってみたまえ

2011年11月15日火曜日

KUREMUTU CLUB 29



空中で傷あとひらく夢を見る崩した体は君の無意識

庭に咲く色とりどりのやわらかな手向けることの許されぬ花

雨の夜に僕はかえれぬどこにもいけぬサンタクロースに手紙を書いて

スクリーン映し出すのは空の色意図の見えない人差し指と

問うことも問われることもない名前大学生協中濃ソース