2011年2月4日金曜日

2010年度秋冬期の終わり。そして、飲み会。

 

 早稲田大学第二文学部の表現・芸術系の後期もいよいよ終了。ということで、2010年度秋冬期のKUREMUTU CLUBの公式活動も終わりとなりました。
 
 短歌や、短歌に近いかたちでの詩作が、今回もそうとうに弾け続け、ずいぶんと刺激的な成果が得られたように思いますが、みなさん、いかが?

 ちなみに、このKUREMUTU CLUB、教室に集った仲間だけしか見ていないかと思うと大まちがい。
 じつはけっこう広く、世界のあちこちでご覧になっていた方々があります。
 国名を挙げると、日本、アメリカ、ラトビア、フランス、グアドループ、ルクセンブルク、大韓民国、台湾、アラブ首長国連邦、カナダなど。
 これらの国々のみなさん、ごらんいただき、ありがとうございました。
 一行程度の短い詩をみなさんもお書きでしたら、どうぞ、お国の言葉ででも日本語ででもけっこうですから、およせください。
 ここは、今までの詩のかたちや内容に飽き飽きしている人たちの場、しかし、まぁ短くズバッときめたいネ、っていう人たちの国際的な場ですから。
 あ、宇宙人の方も、もちろん、どうぞ。


 さて、打ち上げの飲み会。いつにしましょうか?2月の第2週でよさそうな日をコメント欄に上げていってください。(この投稿欄を開放しようと思ったんですが、そのためにはみなさんのアドレスを貰わないといけないので、今回はとりあえず、作品と同じように書き込んでください…)
 わたくし、藤原夏家は、第3週は用事がありますので、第2週か第4週がいいのですがな。
 ではでは、よろしく!!!
 
 
 
 

KUREMUTU CLUB 2011/2/1 (後期13)

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KUREMUTU CLUB 2011/2/1 (後期13)


               



石井 光

とりあえず外出ろ歩け酒を飲め いずれは終わる友情ならば

日本橋から徒歩で鎌倉目指しますその距離なんと53キロ

我々は確かに今を生きていた 血豆だらけの足が証拠だ

流れ行くものに気づかぬふりをするフリがうまくなったなお前

我々は誰の目にもアホだった 歌はどこまでも遠く響いた

朝焼けが忘れさせたる酒焼けの眠りて覚めて夕焼け小焼け



ファミレスの向かいに座るすっぴんの頬が丸くて丸くて丸い

夏の夜に踊る氷はアルコール十二・三度の酒になりけり



旅立つ日の朝は妙に晴れ渡りやっとの思いでアクセル吹かす

「飛び立ってしまいたい」とか歌ってる 宮沢賢治になりてえのかな

(北海道セイコーマートに置いてあるたまご焼きそばパンはうますぎ)

「こんなとこで寝るんじゃないよ」と警察 旅は道連れ「夜」は情けかな

瀬戸はただ夏日を我にかへしたり 君と西瓜をかっ食らひたし

サンダルのベルトの形の日焼けなり 随分遠くまできたもんだ

霧島で霧島を飲む贅沢は人にはなかなか理解されない

一本の電話が繋ぐ夜と夜 「寂しい」なんて言わないでほしい

「ようやくたどり着く彼を待つものは!」この番組に次回は無い



熱病にかかったような夏が過ぎアホなことなどもうやめると言い

宿題がたまったままでいるような八月三十一日の夜

キッチンの割れたグラスに思うのは 旅の夢路も今日終わるよな

久しぶりに会った笑顔に振り返る 今まで俺は何をしてきた



わが友よ ひとつの夏が過ぎていった また会う日までどうか達者で





逢桜カイン

エゾリスと乾いた風に誘われて娘とドングリ割ったり投げたり

父さんは昔木登り駄目だったおてんばなのはママゆずりかな

お父さん、この木はなぁに?それはママが好きだったさくらの木だよ

ドングリを連ねて作った首飾り娘に見せれば一言。ママに!



ふぢゆう

ひるの膳と声をかけよかかけまいか かがる瞼の“father”“mother”

包丁を滴る果肉のひりつきと啜る小指に雪の融けきる

眼球の2Bほどに濃い睫毛を舐めとられるよる がか座のまぶしい

塩辛くなくなるように祈りつつつめたい硯に垂らす唾液は

糠のよななにかを踏んだ気になつてなするかかとに蟹痙攣する



影山間

早朝の布団の隙間父と母幼さゆえに固唾たらたら

乙女心粉砕ゲーム最終局どう足掻いても共倒れゆく

「私たちどうしてこんなにモテちゃうの?」おしゃれ宗教最盛期だしっ☆

大ブーム人類ちゃんのバベライズ崩壊しちゃえば叫びはおんなじ

転げ落ちた 痛みに痛んだその先に 湯気たつ朝餉があればいいのだ

君が代が千代に八千代に苔生して忘れ去られて我が代となって



佐藤穂高

剥がれ落ちぱりんと割れて消えてしまいそうな優しい空の色です

騒がしい子どもは嫌い甘えたら一緒に遊んであげなくもないけど

汗だくのクリームソーダのフロートのまわりに集まる薄氷がすき

雰囲気は明るく楽しくできたらな虫とか食べる植物みたいに

さよならをするのが嫌で駄々こねて泣いて騒いだ僕にさよなら

ボタン押す→印刷される みたいなね 単純思考で飛び越えていけ

厚い雲をさいてまっすぐ届いたよ ぼくの部屋はもうあったかくなったよ



ゆるり

コスモスが頭かしげてゆれるのは姉さんに自己紹介しなさいって言われたから

いい天気。意識不明の重体に陥りそうな大学の午後

辞書にある嬉しいヤバい愛してるに当てはまらないこの気持ちはなに?

ねぇエリー「あなた馬鹿ね」が口癖のきみは誤解が得意だったよ

寒天のごとくぷるぷる味のない現実にちと黒蜜かけよ

波がさらう砂に撫でられきみの足。日焼けしらずの透き通るシロ

おいかけていたはずなのにワイ字路で別れたみたいだいすきなひと



なかだてくん

荒れた肌から覗くあなたの中身 私の町を夜にする

ママが寝てるドアを一枚隔てた先は 県警迫り来る世界のハナシ

色濃園(しののえん)弄る悪霊ネクロマン 誘われたいなら吝かでないと

カーラジオ語りかけたり『しんでみたい』 ゼロティカ二乗の"Seventeen"

柏から土だけ食べてゴールイン 胃洗浄系の断食芸人

私の悪魔はすごい笑顔で落下した ビル風切ってるキラーパス

私の部屋にはたまに銀河鉄道がやって来て 『しょうもない』とか言って帰る

“われももう”自問自答のセクシャリティ あなたの顔であなたを抱きたい

横目なうKITSUNEとゾンビのにらめっこ ネイルサロンに渋谷まで

指先を通じて伝わる「サヨウナラ」 日本代表、ビューティフルゴール

米兵もラップで愛を叫びたい 靡いてママのフェイクファー

唾液にも意味が在るのよわからずや 読み取れるまでここにいなさいっ 

お祖父ちゃんフロリダ産まれのプリズナー 「逃げて来たんだ」皺の迷路に

KUREMUTU CLUB 2011/1/18 (後期12)

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KUREMUTU CLUB 2011/1/18 (後期12)

             



aiji さんのコメント...

あいじ



ジェイアール熱気でくもる窓ガラス心ははだかと書いてみた



短歌ができなくて詩です。



鬼の舞い



ママ鬼がでたよってパパ鬼がいった

ママ鬼がでたよってパパ鬼がいった

それをきいてたんすの裏へ

パパ鬼も続いてたんすの裏へ



ママ鬼がでてきてはだかで踊った

髪さかだててはだかで踊った

それをみてると小指のさきが

ふるりふるりと動いてきたので

そこをぬけでて一緒に踊った

パパ鬼もでてきて一緒に踊った

部屋いっぱいに火の粉がまった



むこうで赤ちゃんの声がした







どろけい



暗くなってからのどろけいは

だれがだれやら見わけがつかぬ

けいさつだっけ

泥棒だっけ

そもそもあんたは誰だっけ

まあいいや

くらくなるまで 一緒にかけよ

暗くなったら 一緒に かえろ

母屋



ちらかっていて  あったかい

ぼんやりしてて  ほのあかるい

しっとりしてて  ひんやりしてる

かげには だれかが かくれているね

   ゆらかぜ あしもと さらってく

みんなが こきゅうを はじめたよ









あそこの枝が するするのびて

きのうの 水が くぼみに のこって 

ひかりが あたって

影がとまって

遠くの山から 鳥がかえる

おとがするよ



それから わずかに 開いた

青のさけめに



おおきく さけぶの



もうすぐ かえる



 まっててね



    黙った塔が ありました



    ことばの むこうに

    たたずむ 塔が



    ふかい 霧の 谷のなか

 

 陽がのぼり  おちるまえの

    いちどだけ

    だれもしらない おんがくが

    色やわらかな つぶたちが

    すみのすみまで 届いていって

    しずまってから

    そのまま ゆっくり 

    しずむのです。



恋をしれば



          舟がつく



       水際

2011年1月11日18:00



すずきなおさんのコメント...

靴紐が千切れたときの代用品 実は少々結びづらいし

止まります。左ハンドル道の駅農作物に祈りを捧ぐ

2011年1月18日3:37



藤助さんのコメント...

新年になってもう18日も過ぎたとは。まるで嘘のようですね。寝ずに試験勉強を続けてドロドロなワタクシです。

ふぶき舞い卯白姿(後ろ姿)が雪化粧 去りゆく君に願う吉祥

二万円なくして気づいた有り難さ 信心くれた後厄(ごやく)の賀正

ポストには宣伝チラシが残るだけ 焼け酒あおり嘆く初春

とりあえず初日の出だけ拝み見る 心も寒いヘベレケ男

もしかしてタイガーマスクのおかげかと 戻ったお金見つめて思う

2011年1月18日10:45



佐藤穂高さんのコメント...

皆様テストレポートお疲れ様です。不規則な生活の中で寒い日が続きますので、お体など壊されませぬよう。

自暴自棄なわけじゃないです 滅多にない優しくしないサービスなんです

凍りつく道はスケートリンクみたい今夜も車が電柱にキス

あたためていたものなのに気づいたら笑ったあなたにあげちゃいました

青空と水平線が交わって溶けちゃったから島は飛んだの

ふたりでさ傘に入るとふたりとも鞄も服もずぶ濡れなのに

上ばかり見て歩いたらそのうちね転んで怪我するよ危ないんだよ

2011年1月18日11:42



逢桜カインさんのコメント...

罪人よわたしの胸をかしてやろ泣きて爪立て泣きてすがれや

しやくしやくと音をたてて崩れ居る氷の神殿我はデイダラ

素肌より死氣匂ひ立つ私では愛でられまゐてあなたと言へど

ゆるゆると水の垂れたる鉢の端水浴び蛙のなめらかなしり

手探りであたたかな土をさまよへば月の影差す私のあなぼこ

2011年1月18日13:11



ゆるりさんのコメント...

ゆるり

久しぶりに詠みます。

寂しさとあきらめを見た船橋の空は天使がほほ笑んでいる

国会のヤジに疲れて寒い朝ニュースの意味をなくすトースト

しあわせとギムを脂肪につめこんで頑張るパパの丸いウエスト

悲しみも迷いも嘘も産声も吸い込んだから青いのか空

オリオンが冷たい闇にしがみつく夜をしんしん白く染めよう

太陽はまぶしくて目が焦げてしまう。妬けてしまったこころが痛い

身に潜む破壊衝動をつかまえてラップにくるんでぽいをしようか

愛してる。帰らない庭に立ってみる。熱い憂いと過去のしあわせ

なぜエリーぼくのむねからきえないの?きみのかけらも愛せないのに!

脳内の言葉の海に溺れたくないからごくん。ホットなココア

語れないけどそばにいたい木漏れ日を死ぬまでずっと抱きしめていよう

2011年1月18日14:49



山本 明徳さんのコメント...

浜松待たずに寒い寒いと乳飲み子攻撃冬将軍といい勝負

静岡着く頃乳飲み子ピンチ車内販売に粉ミルクねえから

小田原攻めで形勢逆転おっぱいによりエネルギー充填完了

品川到着俺目覚め旅立つために歩き出す8年間に思い馳せ

2011年1月18日16:51

KUREMUTU CLUB 2011/1/11 (後期11)

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KUREMUTU CLUB 2011/1/11 (後期11)               



maya. さんのコメント...

鳴り止まぬ耳鳴り拭って駆け抜けた君が呼ぶなら何処へでも行く

君の臍小さく光る宝石に舌を這わせて闇を侍らせ

桜迷路で見つけた君と今度こそ天国へ堕ちて狂い咲くまで

熱帯魚涙の海で泳がせてあなたは言った最後の夜だと

2011年1月10日23:16



逢桜カイン さんのコメント...

名前のリンクでツイッタ—に繋がります。

はしたなく寛ぐ脚に火傷あり我は其を見て毛布をかけり

裏切りしあなたは地獄に堕ちるでせう私はあなたの供養をしませう

愛らしいあの子の笑顔に叩かれて復讐じゃなくただやりかえす

かじかんだ手先で付ける紫煙の火今夜も私は冷え込んでいます

母親にしかられ泣き出す幼子のなんと気持ちの良い泣きっぷり

いとわしいものなぞこの世にあるものか全てを受け止めそして泣きます

2011年1月11日1:54



すずきなおさんのコメント...

畏まり鎮守の森に腰掛けるジャンクフードで禊の支度

日常にありふれている八百万工業地帯で拍手(かしわで)響く

2011年1月11日3:26



佐藤穂高さんのコメント...

あけましておめでとうございます。

ご無沙汰しておりまして大変申し訳ないです。

本日は参ります。

押しつける風をかきわけ歩いてく少女の傘はまだひしゃげない

眠るような速さでこの手をすり抜けて君が溶けたネオンが滲む夜(よ)

寝てたいよ降るぼた雪に気づいたら埋もれてしまいそうな師走は

乾いてる雪が乾いたアスファルトを駆け抜けている 溶けないでいて

マジックでみかんをうさぎにアニミズム笑って親指突っ込み虐殺☆

丑三つに瞬いている新宿の灯は絶え間なく燃やされている

2011年1月11日13:11