2011年7月12日火曜日

KUREMUTU CLUB 22 (2011/07/12)

              

タソ

行かなくてはに対するは黙っているのが美しい憎き登山者
死ねと言われたら死ぬのですと目尻の皺が寂しさ誘う
見たくないと思うのについ目をやる青朽葉のジレンマ


逢桜カイン

今宵は七夕ですね。

短冊に「あれのやまいのなおるよう」星を困らすいじらしき君
叶わぬがゆえに叶えと祈るもの星よふりやれ我を仕留めよ
そこないし去ぬ機をたぐる我の手をなにゆえ君は握り給うか
橋のない渡れぬほどの河ならば我を受け入れ業を雪げよ
空梅雨のしとりし風に腐臭乗せ今日は幾たび布をかえたか

2011年7月11日月曜日

KUREMUTU CLUB 21 2011/7/05

               

函南

放射能降灰(フォールアウト)あおじろき光が駆け抜けてくね孫子の代まで
「甘辛ボヘミアン」という刀に撫で斬られまして二度寝しました
焼香に似る手つきで載せたアイラッシュひらひら艶めき彼岸参りへ
払暁じゃを失業じゃと聞き違えて祖父殴ちゃったたまじゃりのうえ
疎まし人とあいたかったyesと連唱することもあるよな三千世界
秋葉山峨々たる嶺から裳も黒み 彼岸日暮れて甘し葡萄果



水頼

こんなへんぴなところにきて僕らは何がしたいんだろう
昔から続く切な祈りを僕らは鐘一周で済ます
お金を洗う水に手を入れひんやりと 水と金(かね)は似ているね
地を這う小さな箱舟に乗って 良い国があった街を行く
こんなとこずっとすわっているからこんなにつかれてしまってるんだ
どうして鳩がモチーフなんだろうおいしいからべつにいいけど



イモ野郎

内なる戦いの行方は?
新鮮な地球の大地火星人飽くまで芋を掘り続ける
芋掘りの疲れしのいでビルディング立ち並ぶ様マーズのようだ
ペテン師にだまされここまで来たけれど住めば都か夕飯まだかな
点心が並ぶ晩餐ふと思う天津飯は地球人かな?
さぁここでケインコスギはあくまでも越えるつもりだデビルズウォール





うつ血した茗荷におもう 刻む毎わすれるきがするきみの半身
いたずらに因数分解してみればどいつもこいつも等しく女
ぬるみゆく銀貨の果てのコカ・コーラ はらわた溶かす黒きしゅわしゅわ
ひと房やひだや白きをとらへをり触れてこぼるる子音うれしく
いまはもう電脳ぐるいをただよひて半角と化すをさなともだち