2011年7月5日火曜日

KUREMUTU CLUB 20 (2011/6/28)

               

逢桜カイン

夜明け前知らない猫に出会ったら一つだけ問う我は迷子か
赤い靴はいて港へ闇の中我を連れ去る異人探しに
けだるげな長い睫毛は鉄格子囚われ目玉は夏を待ってる
産まれ得ぬ我が子に着せたい朱の浴衣金魚のごとく揺れるへこ帯
暗がりの草鬱蒼たる林道を下駄で往くのも夏は良きかも




書の館ガラス戸が行く手を阻む私は横で頭抱える
愛でてますそう口には出しながら他の木の芽を想像する
ボードレール読んでーるルノワールで読んでーる