2011年2月4日金曜日

KUREMUTU CLUB 2011/2/1 (後期13)

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KUREMUTU CLUB 2011/2/1 (後期13)


               



石井 光

とりあえず外出ろ歩け酒を飲め いずれは終わる友情ならば

日本橋から徒歩で鎌倉目指しますその距離なんと53キロ

我々は確かに今を生きていた 血豆だらけの足が証拠だ

流れ行くものに気づかぬふりをするフリがうまくなったなお前

我々は誰の目にもアホだった 歌はどこまでも遠く響いた

朝焼けが忘れさせたる酒焼けの眠りて覚めて夕焼け小焼け



ファミレスの向かいに座るすっぴんの頬が丸くて丸くて丸い

夏の夜に踊る氷はアルコール十二・三度の酒になりけり



旅立つ日の朝は妙に晴れ渡りやっとの思いでアクセル吹かす

「飛び立ってしまいたい」とか歌ってる 宮沢賢治になりてえのかな

(北海道セイコーマートに置いてあるたまご焼きそばパンはうますぎ)

「こんなとこで寝るんじゃないよ」と警察 旅は道連れ「夜」は情けかな

瀬戸はただ夏日を我にかへしたり 君と西瓜をかっ食らひたし

サンダルのベルトの形の日焼けなり 随分遠くまできたもんだ

霧島で霧島を飲む贅沢は人にはなかなか理解されない

一本の電話が繋ぐ夜と夜 「寂しい」なんて言わないでほしい

「ようやくたどり着く彼を待つものは!」この番組に次回は無い



熱病にかかったような夏が過ぎアホなことなどもうやめると言い

宿題がたまったままでいるような八月三十一日の夜

キッチンの割れたグラスに思うのは 旅の夢路も今日終わるよな

久しぶりに会った笑顔に振り返る 今まで俺は何をしてきた



わが友よ ひとつの夏が過ぎていった また会う日までどうか達者で





逢桜カイン

エゾリスと乾いた風に誘われて娘とドングリ割ったり投げたり

父さんは昔木登り駄目だったおてんばなのはママゆずりかな

お父さん、この木はなぁに?それはママが好きだったさくらの木だよ

ドングリを連ねて作った首飾り娘に見せれば一言。ママに!



ふぢゆう

ひるの膳と声をかけよかかけまいか かがる瞼の“father”“mother”

包丁を滴る果肉のひりつきと啜る小指に雪の融けきる

眼球の2Bほどに濃い睫毛を舐めとられるよる がか座のまぶしい

塩辛くなくなるように祈りつつつめたい硯に垂らす唾液は

糠のよななにかを踏んだ気になつてなするかかとに蟹痙攣する



影山間

早朝の布団の隙間父と母幼さゆえに固唾たらたら

乙女心粉砕ゲーム最終局どう足掻いても共倒れゆく

「私たちどうしてこんなにモテちゃうの?」おしゃれ宗教最盛期だしっ☆

大ブーム人類ちゃんのバベライズ崩壊しちゃえば叫びはおんなじ

転げ落ちた 痛みに痛んだその先に 湯気たつ朝餉があればいいのだ

君が代が千代に八千代に苔生して忘れ去られて我が代となって



佐藤穂高

剥がれ落ちぱりんと割れて消えてしまいそうな優しい空の色です

騒がしい子どもは嫌い甘えたら一緒に遊んであげなくもないけど

汗だくのクリームソーダのフロートのまわりに集まる薄氷がすき

雰囲気は明るく楽しくできたらな虫とか食べる植物みたいに

さよならをするのが嫌で駄々こねて泣いて騒いだ僕にさよなら

ボタン押す→印刷される みたいなね 単純思考で飛び越えていけ

厚い雲をさいてまっすぐ届いたよ ぼくの部屋はもうあったかくなったよ



ゆるり

コスモスが頭かしげてゆれるのは姉さんに自己紹介しなさいって言われたから

いい天気。意識不明の重体に陥りそうな大学の午後

辞書にある嬉しいヤバい愛してるに当てはまらないこの気持ちはなに?

ねぇエリー「あなた馬鹿ね」が口癖のきみは誤解が得意だったよ

寒天のごとくぷるぷる味のない現実にちと黒蜜かけよ

波がさらう砂に撫でられきみの足。日焼けしらずの透き通るシロ

おいかけていたはずなのにワイ字路で別れたみたいだいすきなひと



なかだてくん

荒れた肌から覗くあなたの中身 私の町を夜にする

ママが寝てるドアを一枚隔てた先は 県警迫り来る世界のハナシ

色濃園(しののえん)弄る悪霊ネクロマン 誘われたいなら吝かでないと

カーラジオ語りかけたり『しんでみたい』 ゼロティカ二乗の"Seventeen"

柏から土だけ食べてゴールイン 胃洗浄系の断食芸人

私の悪魔はすごい笑顔で落下した ビル風切ってるキラーパス

私の部屋にはたまに銀河鉄道がやって来て 『しょうもない』とか言って帰る

“われももう”自問自答のセクシャリティ あなたの顔であなたを抱きたい

横目なうKITSUNEとゾンビのにらめっこ ネイルサロンに渋谷まで

指先を通じて伝わる「サヨウナラ」 日本代表、ビューティフルゴール

米兵もラップで愛を叫びたい 靡いてママのフェイクファー

唾液にも意味が在るのよわからずや 読み取れるまでここにいなさいっ 

お祖父ちゃんフロリダ産まれのプリズナー 「逃げて来たんだ」皺の迷路に

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