2011年6月28日火曜日
KUREMUTU CLUB 19 (2011/6/21)
キシ
宙に舞うくつ片方に聞いてみる降るか降らんか天までおつかい
日射しふり折りたたみ傘出番なしかばんの重み足どり軽く
rain rain と連日つづく雨模様空に映った満開のカサ
水頼
僕は免許を持ってませんけど 君とどこまでも行けたらいいなあ
王冠は白桃にこそふさわしい 帝王に侍る雅楽が響く
今は亡き王の通いし王の道 今は誰もが王と侍る
海に消えた 同室の友共に飛んで共に帰らんと誓った友よ
血通わない時計の針を見て父は帳簿に記号刻んでいる
逢桜カイン
満月の隠れる朝には牙失くし妻にふられたオオカミが泣く
紺色の空の上に龍の棲む城があるから雷も鳴る
復讐を誓った一羽の白うさぎメフィストフェレスに銃を構える
美味しいよグルマンディーズの皿の上食べて食べてと少年が嗤う
青ざめよ逃げよ惑えよそら急げ見えない敵はあなたの傍にも
函南
(夏ぐるいへの臨床療法)
今まさに羽化する生物つぶす音とおくより(でもけっこうちかい)
塩素薫る夏の路地立つ摩利支天 子どもら踏まれ駆ける駆ける
また君がさっぱりとした理由を論ぜぬ品位はあれど蝉鳴く
(アルパカぐるいへの処方箋)
雲の壁つづら折れ降る多摩丘陵肥ゆるアルパカな濡れたまひそ
毛刈り後のきみの背中で神聖喜劇と残酷劇相撲ってる
鉄格子夏日に溶けゆくデルタトライアングルでアルパカ消えてる
マールテスに目覚めちゃだめよ外は卯月のもふもふまみれだからね
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夜明け前知らない猫に出会ったら一つだけ問う我は迷子か
返信削除赤い靴はいて港へ闇の中我を連れ去る異人探しに
けだるげな長い睫毛は鉄格子囚われ目玉は夏を待ってる
産まれ得ぬ我が子に着せたい朱の浴衣金魚のごとく揺れるへこ帯
暗がりの草鬱蒼たる林道を下駄で往くのも夏は良きかも
書の館ガラス戸が行く手を阻む私は横で頭抱える
返信削除愛でてますそう口には出しながら他の木の芽を想像する
ボードレール読んでーるルノワールで読んでーる
必要とあらばAKB論議も辞さない講義の展開にはおどろきました。
返信削除放射能降灰(フォールアウト)あおじろき光が駆け抜けてくね孫子の代まで
「甘辛ボヘミアン」という刀に撫で斬られまして二度寝しました
焼香に似る手つきで載せたアイラッシュひらひら艶めき彼岸参りへ
払暁じゃを失業じゃと聞き違えて祖父殴ちゃったたまじゃりのうえ
疎まし人とあいたかったyesと連唱することもあるよな三千世界
秋葉山峨々たる嶺から裳も黒み 彼岸日暮れて甘し葡萄果