2009年11月20日金曜日

投稿作品5(11月17日までの分)

 11月17日の授業で検討した作品群を掲載します。
 短歌は、考えられている以上に複雑な読解・創作を可能にする器です。
 読む際には、作者の実生活をじかに読み取ろうとしながら読解するのも自由ですし、実生活など無視するのも自由。両方を考え合わせながら読むのも、これまた自由。
 創作の際も、実生活上の経験を扱いながらもフィクションにしてしまうのも自由だし、 フィクションをでっち上げながらも実感や心の真相を表現するのも自由です。
 ですから、一首にひとつの解釈をつければそれでよい、とは思わないようにしましょう。作る場合も、多層的な読解を許す、あるいは読者に強いるようなものを作っていく気概は要るようです。そのようなものを作るのがじつに困難であるとはいえ。


◆投稿作品5(11月17日までの分)◆

マルディさんのコメント...
磯部さん、授業中7首目の「やさしく塗った」という表現についてこだわりすぎてしまって、ごめんなさい。あれからもリップクリームを塗るたびに、この歌のことを考えています。私は、自分がこの歌から感じた想いが「やさしく塗った」とすることで限定されてしまったように思えて、それがとてももどかしかったのです。でも、今日ヨガの瞑想中に鈴木さんのコメントにもあるように作者にとって「やさしく」が最も重要なポイントなのかも、と思い至りました。だとしたら、私の発言は少しこころなかったと、反省しています。爆裂カレーライスさん、「市川 という名字の人間は人を引っ張る力があるぜ」会話がぽんっと抜き出されると、不思議な感じがします。どういう状況だったんだろう?と色々考えると楽しい。さらに、対応に困ってしまうような内容だというところが魅力的だと思いました。吉田戦車の『伝染るんです。』に、先輩が後輩に「ベランダってイタリア人の胸がでかい女の名前みたいだな」と言う作品があるんですが、それを思い出しました。2009/11/13 13:25
2009/11/14 14:44

礒部さんのコメント...
マルディさん。コメントありがとうございます。私自身、そこまで深い意味をこめて作りこんだ歌ではなかったので、マルディさんの意見を聞いて考えさせられました。実は、「やさしくなぞる」と迷った上で、最終的に「やさしく塗った」を選択したのですが、「塗った」だと、確かに限定された意味のような気がします。でも、リップクリームを「なぞる」とは言わないですよね。だんだん私ももどかしくなってきました・・・。
2009/11/14 22:58

青木さんのコメント...
投稿しまーす。

冬凍る!きゅんきゅん甘い鉄橋で‘I love you’をネコたちが叫ぶ
恋の歌だって歌えない僕らでも百人そろえば奇跡は起こる?
情けない三桁台の死をぬけて恋の聖士(まだ生きている!)
虹色の鱗(うろこ)がキラキラ美しい君にあげたい恋スルチカラ
気がつけば濡れることなどへっちゃらで 夕立の中まりあを連れて
ほらaikoが歌っているよ木の上で(きっと僕のためなのだろう)
○今朝の君
・笑った数:5
・寝た数:2
・僕を見た数:2かたぶん3
一瞬でつめたい水を浴びきって君のほっぺをつねりに行こう
2009/11/14 23:05

青木さんのコメント...
今気づいたのですが、先週の磯部さんの歌は、7首中6首が体言止めって言うんでしたっけ、名詞で終わってるんですよね。体言止めの季節なのかもしれません。
2009/11/14 23:07

うぐいすさんのコメント...
うぐいすです。銀杏ももう落ちていないですね。ひどい歌ながら投稿いたします。

暖房のめっきり恋しき朝夕は冬の到来吾に知らしむ
銀杏の匂ひ好まぬ君なれど暮らしの糧と拾ひ歩けり
儚くも紅葉といふ退廃は朽ちてゆくたび艶めきを増す
色づいて妖しく踊るイチョウの葉 秋の遺言その身で奏で
「北風と太陽」寓話思ひ出す十一月の日陰と日向
2009/11/15 20:46

大沼貴英さんのコメント...
大沼です。青木さんの、
○今朝の君・笑った数:5・寝た数:2・僕を見た数:2かたぶん3
が個人的にとても好きです。じつは前期にも、2ちゃんねる風の書き込みをそのまま抜き出して短歌にするという試みをやった人がいたんですが、そういう型破りで自由な作品がもっとあってもいいんじゃないかと俺は思います。この箇条書きは、さらに「君」と「僕」との微妙な関係性を描いているという点で、単なる衒いに終わっていないのが面白い。正直「やられたなあ」という感じです。 
では、久しぶりの投稿を。拙詠ばっかで堪らん。 
  
   恋愛の「でも」に寄せるうた七首 
君からの一通目がきたら明日は俺から送っていい免罪符
「恋愛て変な字だよねでも読者(ひと)の目を引くんだよ」編集会議
昨年のイヴに当時の恋人と行った銭湯が理想体重 
どうせ湯は別々なんだし独りでも今年も行ってみようか銭湯 
アイポッド爆音で聴くと時々ねステレオがウザくなる時々ね 
草食系男子が好きと言う君は森ガールゆえ去勢された僕 
昨年のスキニー履いたら履けちゃってまだいけるでも去勢された僕
2009/11/15 21:33

耳野さんのコメント...
こんばんは。初めて投稿しますがこちらでよろしいでしょうか?耳野です。実は先週はじめて授業に出たのですが、面白い!ぜひ参加させてください。拙作ですがどうぞよろしくお願いします。今回はちょっとした自己体験的なものを連作にしてみましたので投稿します。 
  
  連作・アンダー・ザ・レッドライト
札二枚忍ばせ浮き足覚束ず向くは赤き灯照らす異番地
箔入りし朱塗りの箸もペン軸も暗燈下では濡羽烏なり
暗橙の灯下で煙草更かしたるあの子もその子も影は歪物
彩声に囃され捻り出す万札見栄切る我の擦り切れ財布
赤燈の許に握りし白柔きその手に黒き血透けて見えたり
二十二の赤貧の描く愛などは薄紅桜と老人が云う
歪影に追われつ赤燈商店街逃亡疾走走馬灯のごと

うつくしき魑魅の棲む赤燈商店街
硬貨ひとつをひしと握りて
ぼくはウットリと青冷めていた
凛と鳴る冬の夜だった
2009/11/16 1:53

マナ子さんのコメント...
季節柄か恋の歌が多いですね。それぞれ違った風情で面白いです。今回はできるだけきれいな言葉や楽しい気持ちを入れようと思いました…が、いまいち成らずでした。

野良猫とお好み焼きパンわけて食べ また明日も会えたらいいね
雨の夜は窓を開け寝る雨の音溺れる夢を見られるだろか
誘惑が色とりどりの図書館で今日出会ったはイッパイアッテナ
(そういう名前の絵本のキャラクターです)
五股かよ!変わらずクズだねと笑えたり 別れてよかった元彼今友
(むしろ仲良く)
カメレオンカツヲノエボシカナダガンくちに出したいカツヲブシムシ
(「ぶしむし」とか言いたいだけです)
新しい病名もらって強気なるいたわれいたわれ鬱病様だぞ
2009/11/16 11:40

マルディさんのコメント...
こんばんは。マナ子さん、とても楽しそうな感じ、伝わってきます。

Rのためにきみが喉鳴らすたびに齧りたくなるそこの林檎を
人知れず太宰の墓にくちづける乙女のすがた茉莉が見ている
熱帯びるポケットの中握る鍵(キー)集約される今日の出来事
ただきみに五感捧げて果つ日々はまひるまにみるゆめに似ている
結婚の終始綯い交ぜ神無月黒紅白のお式があった
夕方は家庭の匂い嫌だわと言うお姉さまの手がきれい
2009/11/16 18:08

青木さんのコメント...
マナ子さんとマルディさんのにコメントしようと思ったのですが、長くなりそうなので授業で口頭で言うことにします。>大沼くんそうそう!まさにその関係性が見えてるということろを読み取ってもらえて嬉しいです☆
2009/11/16 23:56

礒部さんのコメント...
こんばんは。青木さんからのご指摘があったので、今回は体言止めではない歌を選んでみました。テーマはまとまっていませんが、恋の歌が多いのかもしれません。

居酒屋の忘年会の旗揺れる忘れたくない年もあるのに
すこし前最年少と言われてた選手を今はベテランと呼び
手を振るといつも後ろを確かめる 探してたのは君のことです
私より高いところのつり革をつかむその手に触れてみたくて
地下鉄の窓を見つめる人々は黒い景色に何を見るのか
手を伸ばし耳からそっと取る眼鏡 触れないように起こさぬように
ぴかぴかと点滅してる信号は君といる日は「止まれ」に変わる
2009/11/17 2:14

爆裂カレーライスさんのコメント...
マルディさん。返事がおそくなりましたが、感想を書いてくれて、ありがとうございました。『伝染るんです。』これが、これが、いいです。嬉しいです。マルディさんが、このだいめいを書くことは、不思議な調和をつくりだすと思ったからです。あと、さいしょ「うつるんです。」って読んでいたんだけど、うつるんです、は、写真のCMだなとおもって、「でんせんするんです。」って読むのかなとおもったけど、そりゃあないだろうなあ、とおもって「うつるんです。」と読むことにきめました。
耳野さん。はじめ、忍者みたいなひとだとおもいました。でも、読んでると、
彩声に囃され捻り出す万札見栄切る我の擦り切れ財布
とあって、忍者はそんなことしないなと思いました。なんだろう、1首目で、飲みかいのために、居酒屋に向かって、最後の短歌で、居酒屋から逃げるんだとおもいました。
札二枚忍ばせ浮き足覚束ず向くは赤き灯照らす異番地札二枚
は、1000円札かとおもったけれど、2000円だけだと居酒屋ではお金をはらえなくなるとおもいます。だから、一万円札を2枚持っていったんだとおもいました。「浮き足覚束ず」ふわふわしながら、歩いてるんだとおもいました。それで、赤き灯だから、夜の新宿の歌舞伎町とかそのへんなのかなとおもいました。異番地というのは、じぶんが住んでいる家の番地とは異なるという意味だから、電車を使わずに、歩いていったんだとおもいました。ああ、なんとなく、浅草あたりかもしれないとおもいました。
箔入りし朱塗りの箸もペン軸も暗燈下では濡羽烏なり
暗い居酒屋っていう感じがします。濡羽烏って、そういう名前のカラスがいるのかな、とおもって調べたら、Wikipediaに「濡れ烏(ぬれからす)とは女性の髪の色彩を形容する言葉。」と出てきました。その後に、濡れ烏も、濡羽鳥も、カラスの黒と関係がある言葉だと知りました。とにかくぼくは、「濡羽烏なり」がひじょうに良い結句だと思ったのです。「朱塗りの箸」と「ペン軸」は、共に箔入りをされているんだとおもいました。(箔入りって、なんだっけっておもって、箔でしらべたら、gooの辞書で「金属をたたいて薄くのばしたもの。金箔・銀箔など。」と出てきた。)ペン軸は、ペンのすーって長くなっているところ、持つところをいうのかな、っておもいながら、また、調べたら、はてなキーワードに、「ペン軸 - コミック用画材のひとつ。つけペンの軸になる部品で、先端にペン先を差して用いる。 」と出てきました。ここまでやって、耳野さんの短歌は調べれば調べるほど、面白さが増す短歌だとおもいました。居酒屋にマンガ家がいたのか、とか、それとも、マンガ家志望のいるひとがいたのか、とか、箔入りだから、豪華な居酒屋だったのかなとかおもいました。濡羽烏のことだけど、こりゃあいいや。箸もペン軸に、容易な言葉ですが、美しさを感じたんだと思います。ふつうは、濡羽烏は、女性の黒髪にいう言葉みたいだけど、それを箸とペン軸にたいして言ったことに、嬉しさを感じてしまいました。暗橙の灯下で煙草更かしたるあの子もその子も影は歪物耳野さんの短歌は、ストーリを感じます。歪物、さいしょ、わいぶつって、読んでいて、なんだろう、なんて読むんだろうとおもって、またGoogleで検索をしていたら、ゆがみもの、と読むことがわかりました。それで、ゆがみものは、歪んでいる物体のことを言うのかとおもったけれど、歪んでいる音のことをいうのだとわかりました。「エルメイトギタークリニック by佐野先生」というへんなタイトルのブログから、歪み物についての引用をします。「歪み物と言いますと代表的な物でまずはディストーション、んでオーバードライブ、んでファズですね。どれもギターの音を無理やり歪ますという役割は同じなんですが、歪み方が中々に違ったりします。」ギターの音なんだって! でも、この短歌では、ギターの音だということまでは意味してないとおもいます。やっぱり、女性の影が、歪んでいる、影が歪んでいる、ということは、煙草更かしてる女性の顔は、ぎこちない感じというのか、なにか屈折がこめられている顔をしているんだとおもいました。
彩声に囃され捻り出す万札見栄切る我の擦り切れ財布
たぶん、あなたがお金を一番払ったんだとおもいます。見栄を切ったのは、耳野さんと擦り切れ財布の両方になるとおもいました。擦り切れ財布を天のほうに掲げながら、一万円札を風のように出す光景が眼に浮かびました。ちょっとかわいそうだけれど、堂々していて好感を持ちました。頑張り屋を感じ取りました。赤燈の許に握りし白柔きその手に黒き血透けて見えたり血管を見たということでしょう。しかし、この短歌には、「血管を見た」というだけでは済まされないものがあります。たぶん、女だ。女の血管をみたんだとおもいます。「白柔き」というのは、男性の手ではなく、女性の手を表すのにふさわしいとおもったからです。うん、でも、ちょっとこの短歌は、いまいちです。白、黒、という対比、黒、のあとに血が来るというのは、常套的なやり方だと思うからです。しかしながら「赤燈の許に」っていうのは、たいしたものです。耳野さんは、江戸時代を感じる色を上手に使えるところとかすごいです。忍者ってさいしょに書いたけれど、耳野という名前からも忍者を感じることができます。
二十二の赤貧の描く愛などは薄紅桜と老人が云う
色から触発されて、短歌をつくっているとおもいました。そういうことにさせてもらうと、赤貧→薄紅桜、は、面白い触発です。ぼくだったら、赤貧っていう言葉を使おうとしないし使おうとしても、薄紅桜が浮かんでくることはないからです。しかし、色から触発されて短歌をつくる方法があるのか、ということを耳野さんの連作から学ばせてもらいました。ぼくも、その方法を使うこと出来ると思うので、使ってみようとおもいます。それで、なんだろう、たぶん、老人は「作者が赤貧である」いうことを知らないんじゃないかとおもいました。「赤貧の」というのは、老人が言ったことではなくて、作者の自分に対する立場・評価だとおもいます。たぶん、実際は、「二十二歳のやつが描く愛なんて、弱いです」ということを、年上の人から、いわれたんだとおもいました。でも、赤貧、ということを、一番に訴えたかったのでしょう。この短歌のなかでも、年上の人にたいしても。
歪影に追われつ赤燈商店街逃亡疾走走馬灯のごと
歪影(いびつかげ)と読むということを、検索によって知りました。(なんで、検索ばかりしているのかというと、電子辞書がどこかに消えたからです。)これは、連作の流れから考えて、煙草更かしてる女性とか、老人とかの歪(いびつ)と思われるものから、逃走をしているんだとおもいました。また、忍者っていうんだけど、忍者のように赤燈商店街を素早く走っていく姿をイメージすることができました。塚本邦雄の短歌に、
忍法夙流変移抜刀霞斬(にんぱふしゆくりうへんいばつたうかすみぎ)り 眼疾のはてにわが死はあらむ
青嵐ばさと商店街地図に山川呉服店消し去らる
という短歌があって(ぜんぶ、新字体表記だけれど…。塚本邦雄の表記通りにブログに書くのが無理で、部分的に旧字体にしようと思ったけれど、それだと威力が弱まるとおもって、全部新字体にしました。)耳野さんの短歌からは、この二首の短歌を思い出すことができました。誤解しないでほしいんですが、嫌味じゃありません。耳野さんの短歌をみて、この二首の短歌が、さらに記憶にのこって、耳野さんの短歌とつながりを持って、読むことができるようになった、ということです。
うつくしき魑魅の棲む赤燈商店街硬貨ひとつをひしと握りて
ぼくはウットリと青冷めていた凛と鳴る冬の夜だった
この最後の詞書も実にたいしたもんだと思いました。硬貨ひとつ、は、ぼくは百円玉と思いたいです。一万円札を二枚もっていったのに、百円玉だけになってしまって、明日からどうやって暮らしていこう、寒いのに、という気持ちになりました。
2009/11/17 7:15

鈴木有さんのコメント...
先週の日曜日に書いたものを、いまさらだけど投稿します。耳野さんの短歌がなかったら、投稿をしなかったと思います。
2009/11/17 8:55

鈴木有さんのコメント...
今日、中学と高校のころの同窓会があって、ぼくは夜の12時30半に呼び出されて、あつまったひとに、じぶんの自信のある短歌を17首ぐらい、みせつけてやりました。ぜんぜんわからない、といわれました。9割ぐらいのひとに。でも、意図を汲み取ろうとしている気持ちは伝わってきて、ああたぶん、ほかのひとたちは、ぼくの意図を汲み取れる量が少ないんだなと思いました。ぼくの意図が10だとしたら、たぶん、0.1ぐらいしか、汲み取ってくれてないと思いました。もちろん、酔っ払っているひとたちに、みせたから、0.1になったというのもあります。しかし、じぶんが5年間かけてつくった短歌を17首ぐらいに厳選して、わからない、わからない、といわれまくるのは、やべえなあ、まいったなあ、と思うだけの理由になりました。それで、磯部さんの意図を汲み取れなかったマルディさんの苦しみを受けて、ぼくもね、ぼくもだ、磯辺さんの短歌の意図を汲み取ろうとする気持ちが、不十分であったということに気づかされました。ぼくはいまさらだけど、磯部さんの短歌の意図が10だとしたら、7ぐらい読みとることができる自信があります。それなのに、いままで3ぐらいしか読みとってなかった、とおもって、ひでえことをしちまってたと思いました。7、読みとったうえで、自分に都合のいい解釈をやるべきだったんです。
2009/11/17 8:57

10 件のコメント:

  1. 一番乗りの男、青木です。


    「毎日が、自宅‐会社の往復で・・・」そんなな彼らの妻たちに唄う
    塾帰り森できのこを食べていた子どもらがまだ帰ってこない
    探すのをやめてしまったオニの背を影からずっと見続けた冬
    雪の降る聖夜新宿東口一人で食べるキムチリゾット
    通勤のエスカレーター階段が希望者を乗せ空まで伸びる
    六甲の『意外とおいしい天然水』飲んでけっきょく今日もがんばる

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  2. おっと誤字が。訂正します。

    「毎日が、自宅‐会社の往復で・・・」そんな彼らの妻たちに唄う

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  3. こんばんは、耳野です。先週は体調を崩してしまいましてご迷惑をお掛けしました(インフルエンザじゃないので大丈夫です)。今は元気です。今週は楽しみに授業にゆきたいとおもいます。


    爆裂カレーライスさん>
    コメントありがとうございます。しかも細かいところまで読み込んでくださって、感無量です。どうもありがとうございます。大概帽子で顔が隠れていますが、忍者ではないのです。

    あくまでわたしの描いたときのイメージをちょっと書いてみようと思います。でも、一首一首解釈してくださっているのを読んでああ、こうでもいいなあ、これもいいなあ、とか書いたわたしも思ってしまいました。ありがとうございます。この連作は、自分の実体験と見た夢とをクロスオーバーさせた一種の仮想世界の出来事として作りました。なのでちょっと現実ではありえないことが描かれて居るかもしれません。ちなみに、ここでは万札二枚、薄給を貰った短歌の中の赤貧青年であり自分の投影である「ぼく」が、いわゆる異性が接待してくれるようなお酒の飲めるお店に行って、いわれのないような恐怖を感じてしまい逃げ帰ってくるといった流れになっています。でもぼくは、煙草も吸わなければお酒もあまり飲みません。それでもなぜか、そういう気分になったのです。その店にディスプレイされていた朱塗りの箸だとか、ここでは輸入文具店で売っているような付けペンだとか万年筆の軸が、薄暗い照明の下だと調べていただいた通り、真っ黒くテラテラと光っていて、それがとてもうつくしく思ったので、こんなことばを使ってしまいました。
    煙草を吸って着飾っている女の子達に、なんだかそれを習慣として持たないぼくは取り残されたような気分になりました。でも、その大きく歪んだような影を持つ彼女らに、何故か惹かれてしまった部分もあります。自分よりもっと屈折している背後の重い何かを感じたからかもしれません。それが、一見とても甘美な白柔い手に、赤や青じゃなく黒い血として透けてみえてしまったんだと思います。確かに色遣いは安易だったかもしれませんね。ありがとうございます。老人の歌も、その通りです。赤貧の描く歌は、所詮薄紅桜と云われた。けれども、薄紅桜って、美しいじゃないか。すぐ散ってしまうけれど、これはこれで、赤貧なりの必死の叫びなのだと。ギターの音の件も、意識しないで作っていたのですがご意見いただいてわたしがなるほど!と思ってしまいました。面白いですね。実はわたしも塚本邦雄の短歌が大好きで、とくに前者の歌はとても好きな歌だったのでなんだかご指摘頂いて嬉しいです。なんとも言えぬ刹那、スピード感、そして何かきっぱりとした潔白さを感じます。
    なんだか色々と長々書いてしまっているのですが、授業のときに口頭で言ったほうが解りやすいですよね、すみません。

    鈴木さん>
    お酒を飲む席、ってむずかしいですよね。特に大人数だと。その場の空気自体が、個々の人間と人間の発する気が打つかってぶつかって、どんどん淀んでゆくような気がします。
    クリーンな空間と頭で解釈しようとすれば、もっと自分に都合のよい解釈が出来るのでしょうか。わたしは自分に都合の良いように想像して他人の歌を解釈してしまって、ああ、間違っていたなあ、と思うこともたくさんあるのですが、先生の言葉を聞くとそれも間違いじゃないってことなんでしょう。

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  4. こんばんは。叉旅猫目です。
    授業にほとんど行けていなくてすみません。
    24日は行けることと思います。

    ・夏に日に置き去りにされたハブラシのふと見るとまるでひまわりのような
    ・「いっせーの」二人で乗った方舟にあるのはカラータイマーみたいな永遠
    ・12360402あなたがくれたまばたきの数
    ・電気式ギターを初めて弾いたときから毛穴が息を息をしている
    ・けどそれが?教室は今日も戦争ごっこわたしは見えない銃を手にして

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  5. こんばんは、耳野です。先ほどの記事は長々とすみません、普通に投稿します。どうぞよろしくおねがいします。

    田子ノ浦臨む工業地帯にて伸びゆきしぼくの灰色気管

    我が咽に白熱光の迸り 嗚呼、グシャリ歪みし紅白煙突

    竪堀駅高架下二時のササメキは白柔き脚より垂るる透液

    月見草ひとつポッケに突き刺して機械めく宵の本栖湖を往く

    灰色の硝子管を舌裏よりソッと突き刺す我が夜癖なり

    東海道線降りて雪染む富士を背に我が胸にも貼る遺失物番号

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  6. こんにちは。


    駅前の書店2階のレジ裏にひっそりと在る“ニャンとかしよう会”

    “バイアグラ”アーユルヴェーダの老医師の机の横にマグネット有り

    冷蔵庫で干からびている切り抜きをつい諳んじる「自動エレベーターの…」

    枝離れ土に転がるかりんの実 終の住処を定めるごとく

    どうかしら?さしだす手の甲一瞬で愛の現場にかわるキッチン

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  7. うぐいすです。投稿します。

    巡りゆく季節の中の一舞台 落ち葉の輪舞曲(ロンド)輪廻の催事

    ゆるゆるとブランコ揺すれば軋む音ただ懐かしく園に響けり

    門前で吾を見据える番犬の威嚇のかまへ微動だにせず

    不思議にも帰宅がわかる飼い犬の喜び勇む影に和みぬ

    仄かなる甘栗の香の誘惑に尻尾で応ふる犬の正直

    怠惰なる生活リズムしみついて冬の多忙をおそれつつをり

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  8. こんばんは、いそべです。
    短歌も卒論も行き詰ってます・・・


    足音が響く廊下をまっすぐにかかと踏んづけ駆け抜ける春

    オレンジのお道具箱の底に住む羽をたたんだ折りかけの鶴

    背もたれの上にはみ出る新聞の同じ文字追う朝の飛行機

    図書館でひそひそ話す乙女らが両手広げて見せあう手相

    私とは違うところでアクセント置く君が呼ぶ私の名前

    「乾杯」と口にしてから近づけるグラスの先が触れるためらい

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  9. 爆裂カレーライス2009年11月24日 10:41

    朝食べるおぼんのなかで揺れていたネギをめがけてみそしるすする

    二次会をどこでやるのかわからなくなってわたしは船にのってる


    今日は、爆裂カレーライスが、口を使って、
    耳野さんに話しをします。覚悟していて下さい。

    返信削除
  10. 耳野さん。
    ぼくも、自分の都合のいいように解釈する傾向があります。
    自分の都合のいいように解釈をする傾向のあるひとほど、
    作者の意図を知ろうと解釈をすることが必要といえます。
    いまのじぶんの傾向と反対のことを無理にすることによって、
    感動が生まれることがある、というのもその理由です。

    マルディさんは、教室での解釈を聞くかぎり、作者の気持ち、
    意図を考えた解釈をしようとしているように感じられます。
    それはあなたが、自分の都合のいいように解釈をする
    傾向があるからかもしれません。

    ぼくはぜんぜん読んでない本で「応答する力」、
    「他者という試練」という本があります。
    これだよ、この題名なんだ。常々思い返す題名です。

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